2022-02-07

例の映画を見て感じた、中年危機

まあ感想は概ね世間の皆様が言ってる通りなんだけど、俺は「なんでこんな映画商業ラインに乗ってしまったのか」という方に頭が行ってしまった。

監督新人かと思ったらベテラン三木聡

脚本三木聡

プロデューサーは、名前がいっぱい出てきて誰がメインのプロデューサーかわからない。

この滑り続けるギャグ応酬を見て、背筋が寒くなったのは、「これ、誰もツッコミ入れなかったの?」という事実に対してである

聞けば、演出指示はかなり細かく、「語尾まで含めて脚本一言一句変えてはいけない」という厳しい演技指導のもと作られた作品らしい。

そりゃないよ。

「一つだけ種類の違うキノコ・・・」って何度言わせるんだよ。つまらんわ。

これ、監督脚本書きながら「ウヘヘ。ここでドッカンドッカン爆笑くるぜ」と思って書いていたんだとしたらもう潮時だから引退した方がいい。

これは一体なんだろう?

と思うと、俺は身の回り思い当たる人がいた。

まだ20代だった頃、転職してきた中間管理職おっさんである

全然面白くもないギャグ下ネタを言うだけ言って俺たちは愛想笑い

面白いと思ってる人は誰もいないのだが、一応上司から話は聞いてるふりをしなければならない。

そういえば、その会社会長がある日気まぐれでキャバクラに連れて行ってくれた時も、延々とつまらない下ネタを繰り返し繰り返し話をしていた。その会社を辞めて何年か経って、また会長に誘われて再びキャバクラに連れて行かれた時、数年前と全く同じ下ネタギャグを言っていて「人間は終わるとこうなるのか」と衝撃を受けた。

こういう世代の人たちはもうそれが面白いと思ってやっている。

これが本当にヤバいと思う。周りの人は「それ面白くないですよ」とつっこめないし。

当然、金づるだと思ってるキャバ嬢が「つまんないよ」と指摘することもない。

去年のオリンピック開会式で、「渡辺直美に豚のコスプレをさせよう」とか頭の沸いたアイデア披露していた人と同じ匂いを感じるのである

背筋が寒くなったのは、俺ももうとっくにそういうおじさん側の年齢に突入しており、いつ自分冗談愛想笑いに囲まれないとも限らない世界に生きているということだ。

ここ最近炎上映画、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリーズ」とかも同じミスを犯している気がする。最近だと神山健治の「永遠831」と「ひるね姫」とか。要は監督しか理解できないストーリー監督しか理解できないテイストで雄弁に語られているのだが、誰にもその面白さがわからないまま話が過ぎ去っていく。

おじさんと呼ばれる年齢の人たちはむしろ自戒気持ちで「大怪獣のあとしまつ」を見た方がいいんじゃないかと思った。

バッチリまらないけど。

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