2022-01-27

SYRIANA

公開前から、今年一番の問題作である

中東問題より由々しきは即ち、この邦題にあるのだ。ズバリシリアナ」、まさしくズバリである

今年いっぱいはテロとの戦い以上に含み笑いとの戦いが容易に予想される。

私は笑いを抑えられるような器用にはできていないから、いっそう深刻である

たとえば、駅前の大画面なんかで不運にもこの映画の予告と出くわす。

最後に決め台詞よろしく男の野太い声で「・・・シリアナ」とシメて来られることは想定内であるので、

なるべく別のことを考えるようにする。人の感情喜怒哀楽。とにかく自分を喜楽から遠ざけねばならぬ。

モトが深刻な映画なので、テロリストことなどを怒ってみたり、

いやいやブッシュがいけないのだなどなど思ったりしてみる

・・・のだが結局「・・・シリアナ」『ぶほっ』、である。たぶんいくら気張ったとしても無駄であろう。

この問題作映画館のスタッフにもかなりの重圧を課すことになる。たとえば、麗しき受付嬢に向って

「あのぅ、シリアナを予約してもいいですか?」

等とのたまうのはとんだ痴れ者である。男の受付係に言い放つのは豪の者だ。

シリアナしりあな」となってしかるべき連想ニューロンが腐り切ってしまっているのだから始末のつけようがない。とりあえず 「シリアナでございますね?」

確認しなければならないのだが、返事は「はい」では済まされない。

はいシリアナを二人で。」

人数確認を怠った受付嬢に非がある。だが「二人で。」のシュールさに耐えられるようになるには受付嬢も並々ならぬであろう。

そんな苦難を経て公開日にこぎつけると、スタッフの戦いも新たな局面を向えそうだ。なにせ問題作である。あっというまに満席だ。

シリアナの方は大変人気となってございまして本日・・・」 「あっ、じゃあナルニアします!」

・・・これはキツイ。直前のシリアナ変人気もひどいが、ナルニアさらに、

鍛え抜かれた受付嬢連想ニューロンはあらぬ方向へ錯綜してしまうことになる。

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