2021-12-27

死刑存置派の考え:no.02

 死刑存置派としての考えを書き残すメモ

 前回の分はこちら。anond:20211225174826

《2.死刑反対派に対する、死刑存置から反駁

と題して、死刑反対派の反対理由として想定される考え方を簡単な形で挙げて、それに対して私の反論を述べることにする。

 〈反対理由その1〉:冤罪可能性があるので、死刑には反対する。

 〈反論その1〉:それは「医療過誤可能性があるので、ガンの外科的な切除手術は廃止すべきである」と言っているようなものである。目指すべきことは、外科的切除の廃止ではなく、ガンであるか否かを間違えるような誤診断の発生を無くす/減らすことである

 誤診断が存在する可能性をゼロにはできないが、だからといって外科的なガン切除技術価値ゼロになるものではない。それと同じことで、冤罪の発生する可能性が有ろうと、死刑の存置を選択肢に入れることには合理性がある。

 〈反対理由その2〉:冤罪による死刑は取り返しがつかない。

 〈反論その2〉:死刑以外の懲役刑などであれば、冤罪であっても取り返しがつくのだろうか?そんなことはない。

 かつて、強姦の罪で服役した人物冤罪が判明した(実は、被害が虚偽申告による全くのデッチ上げであったことを、後に"被害者(を騙っていた女性)"が自供した)という事例があった。強姦の罪で服役した人物は、懲戒解雇仕事を失い、妻から離婚された。さて、この冤罪被害者のことを「生きているので、損害を取り戻すことは可能である」と言えるだろうか?答えは否である

 ならば「取り返しがつかないから、懲役刑は無くすべき/反対するべきである」と、あなたは言うだろうか?おそらく言わないだろうと思う。

 仮に冤罪の虞を理由にするならば、死刑だけではなく、懲役刑罰金刑など全ての刑罰廃止を主張しなければ辻褄が合わないであろう。

 ー ここから補足(a) ー

 死刑反対派の中には「国家による殺人である死刑は、取り返しがつかないものであるが、個人による殺人は、取り返しがつく」と考えている人たちが存在するように外部からは見える。しかし、その考え方は、非・死刑反対派の目から見ると、論理性を欠くように感じられる。上でも述べたとおり、死刑以外の刑罰も、取り返しはつかないかである

 おそらく、死刑反対派は次のように2つの派閥に分かれるだろう。

A.同次元派:「死刑国家による殺人である。同じ殺人なのだから死刑には反対である」と考える人

B.別次元派:「『個人による殺人』と『国家による殺人(死刑)』は次元が異なる。異なる次元であるが故に、死刑には反対である」と考える人

 「死刑は取り返しがつかない」と言う人たちは、おそらく別次元派であろう。取り返しがつかないことは反対理由にならないというのは、私から反論として上に述べたとおりである

 「殺人の取り返しはつく」と考える人は、おそらく同次元派であろう。同次元派に対する反論は、また別に述べることにする。

 ー ここまで補足(a) ー

 本稿はここまでにする。次回の投稿も引き続き、死刑反対派の考えに対する反駁を述べる予定である

記事への反応 -
  •  死刑存置派として、個人的な考えを書き記して残すことにした。これを書くのは「死刑廃止派って何がきっかけでそうなるの?」と題する増田を読んだのが切っ掛けである。  あくま...

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