2021-12-01

意外と身近にいた、難民ビザ所有者のこと

いまから10年ほど前のことです。大学の後輩からウルドゥー語翻訳でわからないところがあるので、お茶でもしながら教えてほしいと連絡があり、喫茶店で会いました。

ウルドゥー語小説かなにかだろうか?とこちらも辞書を持参して待ち合わせると、彼女が手にしていたのはパキスタン人による難民認定申請書と思わしき書類でした。そこには申請に至った理由手書きウルドゥー語で書かれており、手書きというのもあいまって翻訳が困難だったようです。

いまとなっては、なぜ彼女がこんな書類を持っていたのか、よく覚えていません。なにかしらのツテで、バイトとして翻訳請負ったと言っていたような気もするけれど、まだ学部も終えていないペーペー学生に託していい書類とも思えません。ただ、ウルドゥー語のようなマイナー言語ではこういうケースもあるのかしら……と当時はあまり深く考えなかったような気がします。

さて、この手の書類を見るのは私にとっては初めての経験でした。さほど長文というわけでもなかったので、すぐに該当部分を読み終わったのですが、あまりにも内容が不可解で頭を抱えてしまいました。不可解というか、私が漠然と抱いていた「難民」のイメージ乖離しすぎていたと言ったほうがいいかもしれません。

簡潔に書くと「隣人とトラブっており、殺される恐れもある(ので難民したい)」という内容でした。

「こんな内容で通るのだろうか?」とまっさきに思いました。これが国を捨てるほどの事情なのだろうか、と。日本への難民検討する前に、たとえば引っ越すだとか、他に本人にとってスムーズ解決策がいくらでもあるように思えました。

とはいえ、そのとき特にそれ以上興味を持つことはなく、したがってこのパキスタン人が難民として認定されたのか等、いままで全く気にしたことも、思い返すこともありませんでした。ここまでが10年前の話です。

ここから最近の話なのですが、先述した後輩とはまた別の友人とランチをする機会がありました。この友人はかなり性にオープン女性日本人)で、片っ端から在日若いイケメンパキスタン人を捕まえては、気に入ったらつまみ食い、というようなことを繰り返していました。

そういうわけで、この日ももともと二人でランチをするはずだったのですが、突然、当日になって、出会い系アプリ的なもので知り合った見知らぬパキスタン人も連れてくると言い出しました。あまりにも唐突パキスタン人のログインに驚かないこともなかったのですが、面白そうなのでオーケーしました。

やってきたのはまだ25歳くらいの、若いパキスタン人の男性でした。あわよくば友人とやれるんじゃないか、との期待を胸に、車を二時間走らせて県をまたいでの参加です。

私は特段このパキスタン人とは話すことがないので、相槌を入れたりしながら、おもに二人の会話を聞いていました。出身地パンジャーブ州のこと、茨城ヤード中古車販売業)で働いていること、なかなか日本語が習得できず、日本人の友人ができないこと……。色んな話をする中で、友人がこう切り出したとき、耳を疑いました。

あなた難民ビザできてるんでしょ?あと何年、日本にいられるんだっけ?」と。

ん?難民ビザ難民??あなた難民なの??

平然としている友人とパキスタン人の顔を交互に見ながら、「え?彼は難民なの?え?そうなの?難民?え??」みたいな反応をする私に、パキスタン人はバツの悪そうな笑顔を浮かべています。友人のほうは何をいまさら、とでも言うように「あなた知らないの?ヤードで働いてる若いパキスタン人の)子、ほとんど難民ビザよ。私がよく、彼は入国してまだ〜ヶ月だから無給で働かされてるんだよって話してるじゃん。あれ、難民ビザからだよ」と教えてくれました。

いままでの会話から、到底このパキスタン人になにか日本難民をせざるをえない事情があるとは思えませんでしたので、「でもあなた難民ビザを取得したようだけど、実際に難民というわけではないのよね?」と確認しました。すると彼は目を輝かせながら、こう言いました。「僕は日本自分ビジネスをやりたいんだ!」と。

これを書きながら、今後の参考のために、彼がどんな理由を書き連ねて難民申請し、許可されたのかを聞いておいても良かったのかなと思いました。10年前、「まさかこんな理由で(難民認定は)おりないだろう」と私が独自判断した書類と、そう大差なかったりするのかしら、とか考えたりしています

  • 私のバイト先(コンビニ)によく来るパキスタン人は、そういえば自営業主だ。(会社名義に公共料金の支払いに来るのでわかった) でも難民なのかなあ。 街に沢山パキスタン人が住ん...

  • ウィシュマさんの難民申請の内容もわりとあたおかだったよな

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