2021-11-22

自己破産

フェイクあり。長文です。

自己破産することになった。

手続きの詳細なんかはネットに無数転がっているので、自分の所感を残したいのと、もしも自分と似たような境遇の人がいたら参考になればという思いで書きたいと思う。

一番伝えたいのは、どんな人間でも存在している以上は一人の人間であり、生きたいように生きていいはずだということだ。

何を当たり前のことをと思うかもしれないが、自己破産をするまで全く思えなかった。


スペック

・30代後半

実家暮らし

手取り15万円

・3社借入300万円

自己肯定感皆無


自己破産をするきっか

想定以上にコロナが続いた。

もし今家族が死んでも火葬代も出せないな?と考えたのがきっかけ。


借入理由

本とか服とか自分のものもあったけど、ほとんどが家賃光熱費等の生活費だった。ちりつも。

家族非正規で、自分けが正規雇用手取り少ないけど)。

家族の「正社員なんだから家の支出は支払ってよ」に反論できなかった。

うつ病休職している間も自分が毎月支払ってる分は支払った、給与ゼロなのに。


自己破産開始

法テラスメールした。

これぐらいの借入があって自己破産を考えてますって感じの。

そしたら「メールでの相談は、相談先が分からない方の相談窓口です」って返ってきた。恥ずかしい。

自分場合目的相談先も明確なので、法テラス電話した。

今は直接法テラス訪問相談はできなくて、電話のみらしい。

法テラス支援が受けられるか審査必要とのことで、口頭で収入とか住所とか伝える。

審査が通り、三日後に弁護士さんとの電話予約を入れてもらえた。


弁護士さんとの相談

緊張しながら電話が鳴るのを待った。

きびきびしてるけど堅苦しくない雰囲気の方だった。

もし別の弁護士に頼みたい場合は、法テラス相談すれば変えられるとのこと。

手続き完了までは半年前後かかるらしく、つまり結構長い付き合いになるわけだ。

どうしようかと悩んでいたところに、弁護士さんが言った。

「それだけの収入でそれだけ返済や支出もしていたら、生活大変ですよね」

決め手だった。

常套句だろうが心から言葉じゃなかろうが、本当に嬉しかった。

他人から人生心配されたことなんて一度もなかった。

日本国民として制度を利用して初めて、そうか自分は一人の人間だったんだなと認識した。

まあ普通他人経済状況の相談はしないと思う。…いや、するのだろうか、友達がいないから分からない。


手続き開始してから二週間後程度

先生からメールがあった。

法テラス正式審査中だが、借入のあったカード使用不可になるから携帯払い等で設定しているようなら変更してくださいとのこと。

優しい。定型句だろうが感動した。

審査が終わって、署名必要書類委任状を送付すると連絡がきた。

債権者の詳細も教えてほしいとのこと。

自分はこういうのしっかり管理してなかったので(自分負債だけど自分負債ではないため見たくなかった)、慌てて色々調べた。


手続き開始して三週間後程度

毎月の支出入を記載してほしいと言われた。

もうバレてると思うが、自分家計簿なんてつけたことなかったから慌てた。

領収書とか取っておくの苦手すぎる。

持っている口座の明細が二年分必要とのこと。

お分かりだろうがそんなものないので、各銀行へ発行手続きに行った。

一回も記帳したことがないと言うと大体の銀行員さんは引いてた。

ちなみに、手取りがいい仕事すればいいじゃんって思って転職してうつ病になった。相性とかもあったろうけど。


手続き開始して一ヶ月後程度

借入のある業者カード先生に送付。

銀行明細はPDFでも良いとのこと。いい時代だ。


手続き開始して二ヶ月後程度

毎月の支出入を頑張って記入。

銀行の明細を見ていたら記憶にない振込があって書き直し。


手続き開始して三ヶ月後程度

裁判所への申し立てについて、来月以降行いましょうかという話になる。

なので最初電話してから四ヶ月後で申し立てになりそう。

既に提出していた毎月の支出入について、確認事項があるとのことでSkypeで一時間ほど通話した。

すごい緊張した。犯罪をしたわけではないけど、弁護士対話するって変な気持ちになる。

通話の終わりに先生が言った。

「これはちょっと気になるだけなんですけど、あなたが家の支出ほとんどを負担されているんですね。

 あなたもいつか結婚して家を出ていくのにご家族の方はどう思われているんでしょうね」

なんとか適当に返事をして、通話を切ってから声を出して泣いた。

自分人生を考えてくれる人がいるということ、それが弁護士さん=ビジネス相手だということに泣いた。

嬉しいような悲しいような、でもやっぱり生まれて初めて「お前は人間なんだ」って言われたように思った。

やっぱりこれはおかしいんだよなって。


まとめ

手続きはまだ途中なので、終わったらまた書き込むかもしれない。

自分視点だけなので、かなり自分に寄った所感であり、家族にも色々あるんだろうなとは思っている。


国というものは、赤子だろうが老人だろうが自分みたいな借金まみれのバカ野郎であろうが、一人の人間として扱ってくれる。

それが自分にとっては救いだった。

自分のことを考えて自分ために生きられたらどんなにいいだろう、と思えた。

実際問題家族を見殺しにしたいわけではないので出ていかないだろうが。

逃げればいいじゃんって思う人もいるかもしれないが、情は残っているのと、結局逃げたところで自分がまともに生きられるわけないという思い込みが強い。

ガチャなんて言葉が一時期流行っていたが、生まれてきたくなかった本当に。

もしも不本意なのに誰かのために借金が膨らんでしまって困っている人がもしいたら、自己破産視野にいれることも考えてもいいかもしれない。

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