退職手続きと入社手続きで忙しくなってきた。とはいえ働いていないので、郵送されてきた書類をコツコツと片付けるだけで良かった。休職当初は仕事関係の文書なんて全く読めなかったので、よくここまで回復したものだ。
この時点でも眠れない日は時々あったが、日中はだいぶ元気になって、少しは新しい仕事に備えて勉強しようという意欲が湧いてきていた。歩きながら「しにたい」と呟くことも無くなっていた。
退職手続きで最後にどうしても1回だけ出社する必要があり、緊張しながら会社に向かった。会社でパニック発作でも起こすのではないかと思ったが大丈夫だった。出社
していた人何人かには挨拶をして、オフィスを後にした。感慨深さは特になく、とにかくさっさと去りたかった。10年超勤めてもこんなものかという寂しさはあった。
退職手続きも入社手続きも一通り終わり、最後の休暇期間はのんびりと過ごした。だんだん眠れるようにもなってきて、電車で遠出もできた。相変わらず働きたくなかったが、日曜日の夜に「明日会社行きたくない〜」とごねる程度の気持ちになっていた。
ついに新しい職場での業務がスタートした。完全に在宅で、最初の一週間はオンラインのオリエンテーションのため休憩が長く、定時で上がれるのが良かった。それでもめちゃくちゃ疲れるので、休憩の時はベッドに横になり、夜もぐったりしていた。無理するなと医者に言われていたので、業務時間外に勉強するようなことはしなかった。週5働いてるとか多すぎる、みんなえらすぎる。
週末は疲れを取り戻すように寝ていたが、気持ちの落ち込みはほぼなかった。入社して三週間くらい経ってようやく、体力が戻ってきたような感じがあった。その頃、医者にも通院も服薬ももう不要だと診断された。ほんの数ヶ月前は号泣しながら話をしていたのに、あっさりと治療が完了したので拍子抜けした。
通院をやめた後もたまに不安になる時があったので2回ほど頓服薬を飲んだが、それ以降は全く大丈夫になった。
気持ちも体力ももうほぼ元通りで、人と会っても冗談が言えて笑えるようになった。食欲も睡眠も元どおりで、朝までぐっすり眠れている。病気だった頃の様子を知っている友人に会った時「顔色が良くなった。あの頃は目が死んでた」と言われるほどだった。
心の病気が完全に治るには病気だった期間の倍かかるという。自分の場合いつからいつまでが病気だったのか定義づけが難しいが、症状が酷かったのが2ヶ月くらいだったので、概ね合っているのだろう。
もう自分は元通りにはなれないかもしれないと絶望して毎日泣いていたが、ちゃんと元気になって、働けているので絶望する必要はないと思う。とにかく無理をして自分を追い詰めてしまうのが良くない。これから先も20年30年働くのだから、そのうちの数ヶ月休んだって大したことはない(と思えるようになった)。
今でも一番辛かった時のこと、当時の上司に言われた言葉などを思い出して不安になったり悲しくなったりする時があるので、自分の闘病生活に区切りをつけるためにまとめておきたかった。次の記事で闘病中に読んだ本や参考にしたウェブサイトなどをまとめて終わりにしようと思う。読んでいる人もほとんどいないと思うが、今悩んでいる誰かの役に立つと嬉しい。
つづく →適応障害と診断されてからの記録 まとめ
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