※ただの愚痴です
俺は昔から比較的女顔で、そっちのケがあるヤツにはしばしば狙われていた。
小学生の時は知らないオッサンからよく飴玉を貰っていた。(警察官が通りすがってからそのオッサンは見なくなった)
高校の時には泥酔したオッサンから「お兄ちゃーん」と叫ばれながら抱きつかれて身体をまさぐられた。
社会人になってからもホモ野郎に身体やケツの穴を狙われたことは何度もあった。
その都度なんとか純ケツは守り抜いたが、20代半ばになる頃には俺はすっかりホモ野郎嫌いに育っていた。
そんなある日、親しくはないがそれなりに長いこと面識のあったヤツ(以下A)から急に連絡が来た。
Twitterによくそのジャンルの投稿をしていたから気になったらしい。
俺は喜んだ。
俺は同好の士が増えることを何よりも歓迎するタイプのオタクだったからだ。
詳しい話は数日後にと約束してから、Aに興味を持ってもらえるような資料作りに奔走した。
ジャンルの魅力、奥深さを極力客観的に紹介しつつ、そのジャンルの楽しさを体験してもらえるような導線を準備した。
どんな質問を投げかけられても答えられるように、繰り返しプレゼンをリハーサルした。
そして、約束の日。
完璧だったかどうかは分からないが、Aが満足するに足るプレゼンテーションは行えたらしい。
「とても良かった。このジャンルにハマるかもしれない」
そう目を輝かせるAを見て、俺も満足した。
重なる出費に悩みながらも推しサークルの新作に手を出したがるAのその姿は、
ジャンル歴数ヶ月にして、まごう事なき沼の住人だった。
友人たちと集まった時には新作を持ち寄り布教し合った。
ここまではお互い楽しかったと思う。
だが、段々と歯車は狂い始めた。
『あいつ(俺のことだ)の魅力について』
青天の霹靂とはこのことだろうか。
俺は推しのジャンルを布教しただけで、Aには何もしていないはずだ。
だがこの時、Aの熱意はジャンルにではなく、俺に向かっていた。
『かなり可愛い』
『仕草がとてもいい』
『ママになって欲しい』
はっきり言うと、引いた。
こんなヤツではなかったはずだ。
『好きになりすぎておかしくなりそう』
『あいつでシコった』
『たくさん出た』
連日おシコり報告を受ける俺はドン引きを通り越した物凄い感情を感じていた。
語彙の限りを尽くして罵倒してやりたいと思った。
しかし、Aは長年面識があるヤツだ。
ここ数ヶ月は仲良くしていたこともあるし、
少なくとも、身内認定はしていた。
そのため、
「男同士には興味ないんだよな」
軽口のようにそう伝えて、しばらくAとは距離を置くことにした。
それから数ヶ月が経った。
昼ドラのように痴情の絡れから刃傷沙汰が起こることもなく、連日続いていたAのラブコールは次第に減っていき、やがてパッタリとなくなった。
『もう冷めた』
何ともまあ…という感じだが、ひとまず安堵した。
少なくとも連日「シコった」という報告をされるよりはよっぽど精神衛生上良いだろうと思った。
Aはその後もジャンルに残ってはいるようだが、俺宛てのツイートは全て削除され、Twitterの相互も外れ、連絡も取らなくなった。
ここで一件落着…と言いたいが、ちょっと待って欲しい。
俺は気付いてしまった。
なんでこのクソホモ野郎がまだジャンルに残ってやがるんだ????????
呑気にイベントの参加報告してんじゃねえよ!
こっちはてめえと鉢合わせになるのが未だに怖くて参加できねえんだよクソが!!!
◯◯さんとこの新作が〜じゃねえよ俺の推しと被せてくんなクソ!クソ!!クソ!!!
殺意というのはこういうものかと悟ったのはこの瞬間だし金玉蹴り飛ばしてぶっ潰してやりてえと思ったのもこの瞬間だし去勢しろやホモ野郎!!!!!
「冷めちゃった♡」で禊が終わったと思ってんじゃねえぞ下半身ブンブン丸がよ!!!
失礼、取り乱した。
ジャンルに馴染んで貰おうとAに構いすぎたのが悪かった。あまりにも一緒にいたので別の友人からは「今日は一緒じゃないんだ?」と揶揄されたこともある。
最初にAがツイートを投稿した時も、穏便に済ませようと「照れるな〜」とかテキトーなことを言って流した。
熱心に構う一方で、性的な目線に関しては日和見的などっちつかずの態度がAをヒートアップさせてしまったのだとしたら、あの時きっちり否定しておけば…
たらればになるが、Aと絶縁状態になっていない未来があったかもしれない。
…だが、これだけはAに伝えたい。
B L は ナ マ モ ノ で や る な
気にしすぎ 以上