財政破綻するのか納得できる説明をしてくれ、というブコメを見かけたので説明してみる。
ここでは財政破綻を「財政問題が原因で経済状況が大きく悪化して国民が困窮すること」とする。
通貨や国債を裏付けもなく発行し続けた場合、どこかのタイミングで通貨や国債への信頼が崩壊しその価値が著しく下がるから破綻する。
全くもって正しい。ただしデフォルトは「破綻」のなかの1パターンでしかなく、デフォルト以外の破綻が訪れる。(具体的にはハイパーインフレや大増税)
通貨発行権を持つ国が自国通貨建ての国債を発行している場合、デフォルト以外の破綻シナリオを選ぶ権利を持っているだけである。
民主主義において、国は国民のものである。封建時代のように殿様と民衆に分かれているわけではない。
返ってくるあてのない不良債権を、そうと知らずに持っていることが問題。
(もちろん国は額面通りの金額を返すことはできる。しかしそれがもとの価値を維持しているかが重要)
ある日国民が、自分が資産のつもりで持っていたものが不良債権であることに気づいた瞬間に経済が崩壊する。
インフレには実物的要因によるインフルと、貨幣的要因によるインフレがある。(詳しくはWikipediaでインフレーションを調べてくれ)
20年以上起こせずに苦労しているのは実物的要因(需要が牽引する良いインフレ)で、心配しなければいけないのは通貨への信頼が崩壊する悪いインフレ。
後者のインフレは歴史的に数十年~百年に1回程度の頻度で起きている。たかだか20~30年起きなかったら心配無用と言える種類のものではない。
バブル崩壊でもわかるように、信頼の崩壊は急激に発生するため検知してから対応しても遅い。
需要が牽引するインフレはジワジワ起こるため、検知してからブレーキを踏むことができるが貨幣的要因におけるインフレはそうではない。
1つ目は「国の資産がたくさんあるから、正味の借金はそこまで多くない」というパターン。
確かに日本は他国の国債や通貨、不動産など多くの資産を持っているが、お金に困ったので売りますね、というほど単純ではない。
他国の国債や通貨を日本が大量に売るとその国の金利上昇や通貨安をもたらし、外交問題となるため簡単にはできない。やったとしても、相応の痛みを伴うことになる。
不動産を売るにしても、その不動産を利用して国家を運営していので、売ったらそれを結局借りなければならないので支出が増加する。
2つ目は「国民の資産がたくさんあるから、国の借金を穴埋めできる」というパターン。
これは正しい。正しいが、問題なのは国民一人一人がそんなつもり(自分の資産で国の借金を穴埋めするつもり)なんてサラサラないことである。
「オレのものはオレのもの」と考えてそれを人生設計に組み込んでいる中で、突如国の借金の穴埋めを求められたら経済(もしくは暴動でそもそも国が)崩壊する。
アルゼンチンとかは通貨発行権あると思うけどデフォルトしてたなはなんで?
外貨建の国債を発行してたからですね・・・
アルゼンチンが国有銀行に無限に国債買わせないのはなんで?
アルゼンチンが欲しいのは外貨なので、自国の銀行が国債を買っても外貨が手に入らないんですよ。。。
はえ〜、なるほど。 でもじゃあやっぱりMMRって間違ってんじゃないの?(通貨発行権があっても自国通貨の価値がクソってしまうと外貨建て国債に頼らざるを得なくなり、デフォルトに...
MMRじゃなくて、MMTねw MMTは「自国通貨建ての国債はインフレが起こるまでは発行し続けてOK」と言っているだけで、それ以上でも以下でもない。 「自国通貨が弱くて外貨建ての国債じ...
今までインターネットをしていて一番勉強になったわ。
インフレは基本需要過剰供給不足だろ。 最後は産業強化に結びつけて外貨借金を防止しないとならない。 だけど、まずマイルドインフレにならないことには企業の資金調達しての設備研...
インフレは基本需要過剰供給不足だろ。 「基本」をどういう意味で使っているのかわからないが、「目指すべき状態」という意味なら同意。 まずマイルドインフレにならないこと...