2012年に京都大学数理解析研究所教授の望月新一が ABC予想を証明したと論文を発表し、およそ8年の査読を通して2021年3月学術誌「PRIMS」上で発表された。
2017年ごろから査読が終了しABC予想が証明される!とマスコミでも度々騒がれていたが、現状はどうなっているのだろうか。
結論からいえば、今現在も数学会はこれを証明として認めていない。
論点1
基本的には査読期間に問題点や疑問点があれば、他の数学者によってその懐疑点を提言し解決や訂正を重ねていく。
実際、望月氏の論文にも指摘があった。指摘を行ったのはボン大学教授のペーター・ショルツェである。ショルツェ氏は30歳でフィールズ賞を受賞した現在の数学界のトップリーダーでもある。
ショルツェ氏は2018年3月、望月氏のいる京都へ訪れ直接論文についての議論を行い、その上で『Why abc is still a conjecture』という評価文を発表した。
この評価文は、一言でいえば「証明は根本的な所で間違っている」である。
望月氏は2018年7月にこの評価文についての反論文を出しており、この両者の主張がどちらが正しかったのか、これに関して第三者が明確な判定は行っていない。
論点2
学術誌に論文が掲載されたのであれば証明に問題はないのではないか
→学術誌に論文が掲載されること自体は形式的な意味合いが強く、掲載=証明の担保とはいえない。
さらにいえばこの学術誌『PRIMS』であるが、この発行元は京都大学数理解析研究所であり、編集長は望月新一本人である。
他意的なことを排除しても、この掲載が正当な評価を出来ているのかは疑問が残る。
論点3
「査読が終了していない」んじゃなくて、そもそも査読っていうのはそういうものなの。 「論文として載せる価値がある」というのは「絶対的に正しい」ことを意味しないの。査読が担...
もちろん私は数学者でも何でもない。 しかしABC予想に関して続報が途絶えてしまったので、今までの事実ベースの情報を集めただけである。 査読の使い方については、マスコミ登場時も...
「これからが査読」なんて一言も言っとらんがな。数学より先に日本語を勉強して来てくれ。 査読が担保しているのは「論文としての価値」であって、「絶対的な正しさ」ではないの...
「数学」論文では「正しさ」は査読通過の前提です。 ここは科学全般の「正しさ」とは異なります。 理由は以下の通りです。 科学全般の論文では、最終的に正しさを決めるのは実験で...