ある時、神はアダムに言った。
「良いニュースの方を頼む」
「喜べ。人間に最高の知性器官である脳と、最高の快楽器官であるナニを実装することが決まった」
「それで、悪いニュースって?」
「それらを同時に使うことはできない」
ジョークというのは、性へのハックそれ自身である。男性は有史以来無限に男性性をジョークにし続けてきたし、無限に男性性をハックし続けてきた。男性性の歴史とは、ある面では壮大なジョーク史である。
一方で、女性性の歴史はジョークの歴史と歩みを共にしてはいない、古くにはアリストファネスが、戯曲にて女性性と男性性をジョークにすることを試みてはいたが、無論アリストファネスは男性である。
性の解放とは──性をハックすることとは、ジョークと性を同列に扱うことである。そのような意味で、女性の女性性へのハックは男性に一歩立ち遅れていると言わざるを得ない。
かの有名なコメディー「生理ちゃん」のような大らかな視点を持つことこそが、恐らくは女性性のハックを達成すると共に女性性の解放を推し進めるであろう。性をハックするにはまずジョークをもってせよ。