2021-09-11

核融合技術総理候補資質について

ニュースで、政策論争核融合炉の話が出てたので、驚き、チェックした

https://news.yahoo.co.jp/articles/5637584c2019bbc137ad557e14970c68132dbb39?page=4

ニュースの印象よりは、核融合発電について勉強してらっしゃる、という印象だった

 

ダメ全然ダメ

 

国際核融合実験ITER計画を知ってるのなら、核融合炉の開発に世界各国がどれだけの時間費用を費やしているか、ご存知のはずだ

だが氏は、量子コンピュータの開発史を持ち出し、同じ速さで炉の開発が急加速される、研究者の予想よりも早く開発される、と論じている

 

これを政策論として語るのは、とても危険であり、この理由一点だけで、氏を国のトップに置くことに私は恐怖する

 

まず、技術論について

量子コンピュータはまだ物理実験レベル技術であり、研究室にいる天才の閃きでブレイクスルーする可能性は充分ある(一部「実用化」されたが、まだまだ実験の域を出ていない)

核融合炉は物理+工学の巨大技術であり、ITERはそれらの複雑なピースを組み合わせて作る科学技術サグラダファミリアである

この分野で仮に天才が数人現れたとしても、数年以内に核融合発電所実用炉)が出来ることはほとんど不可能

ITER実証炉であり、ここで培われた技術で次の原型炉が造られ、それを元に造られる実用炉でやっと発電が行われる

核融合炉の部品を作る京大ベンチャーCEOは実現を50年以降と見ているhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK054HD0V00C21A3000000/

 

実際、高校生が自宅で炉を作ったとか、トレーラー貨物程度の大きさで炉を作る話が数年前に流れてきたが、その後勇ましい話は出てきていない

https://diamond.jp/articles/-/172972

GAFA核融合炉がエネルギー問題根本から解決することは知っているので、資金流入している

たいへん希望的な観測だが、奇跡ブレイクスルーがいくつも起きて、30年代にでも発電炉が製作されれば嬉しいと心の底から思う

 

が、問題の根はもっと深い

 

問題なのは個人的技術楽観視は良いとして、それを政策に組み込むことだ

ナンセンスの極みだ

 

戦中に京大でも原爆研究が行われたが

「もうすぐ日本原爆を持つので、戦争は勝ちます頑張りましょう」

と言って鈴木貫太郎太平洋戦争継続させるようなもの

 

もしくは去年の今頃、国産ワクチンがもうすぐ出来るので、GoToキャンペーン継続しましょう、と言うようなもの

 

トップ技術進展に関心を持つことは良いが、政策に組み込むなら、

①不確実性を織り込むの

自己の見通しではなく、複数専門家による客観的データに拠る見通しを盛り込む

この2つは絶対に守るべきだ

 

これは印象だが、氏は、ネット情報は直接たくさん接していられるようだが、提言を行う専門家が周りに居ないのではないか

他の分野はともかく、科学技術について、ネット情報を無批判鵜呑みにしたため、このような核融合技術量子コンピュータに関する発言になってしまったと文面から感じる

自分とは違う意見を進言する専門家を周りに配し、耳の痛い意見を聞けるのか?

戦争テロ大自然災害の発生時には特に、悲観的視点から状況を見るべきで、ネットに踊らされ都合よい楽観論しか見れないトップは、もはや愚昧ではない。悪である

 

氏の提言の他の部分は読んでいない。女性総理は大歓迎 いままでの首相を顧みるにつけ、傀儡でも程々にやってくれるんならまあいいじゃん、とも思う

ただこの一点

専門家に拠らない不確実なネット情報希望視点により政策に組み込む」

というセンスだけで、氏に国のトップを任せることに恐怖を感じる

候補野党党首も同様のレベルなのか、注意深く見ていきたい

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