2021-08-17

中村哲インタビュー

https://www.rockinon.co.jp/sight/nakamura-tetsu/article_01.html

あともうひとつ、強いて政治的なことを言うとすれば、タリバンという政権が出てきてからアフガニスタンに割と平和が戻ってきたというのは事実なんで語弊はありますが、束の間それを楽しんでおったんですよね。

わたしたちタリバンより古いわけでして、アフガニスタンでいろんな権力を見てきましたが、タリバンが一番血なまぐさい感じがしなかったんです。もちろん報復だとか、現地の慣習で我々が見て驚くこともありましたけど、北部同盟なんかと比べると遙かに平和的に政権を取っていきましたね。

── そうですねえ。ですから、現地にいた方のいろいろな発言を読むと、タリバンの何がいいのかっていうとまず賄賂を取らないとか、やり方がすごくクリーンであるとか。

中村 クリーンですね。わたしたちも初め狂信的な人たちじゃなかろうかと思ってましたが、案外入ってきてみるとクリーンな人たちで、そのあともうすっかり犯罪がなくなったんですね。だからわたしたちとしても活動はしやすかったんです。

── ただ、欧米主導型の情報機関から入ってくるニュースだと、タリバンビン・ラディン擁護し、イスラム原理主義的な理不尽政策ゴリ押ししているというイメージがあるんですが。タリバンアルカイダの介入によって少しずつ変質していったっていうのはないんですか。

中村 どうなんでしょうかねえ。そのあたりは庶民あいだでは伝わらなかったんですが、少なくとも統治形態において大きな変質はなかったような気がしますね。初めから宗教色の強い政権でしたけど、少しずつ規制が緩和されてきてたというのが実態ですね。

── はあ。じゃあ、ああい報道というのは、かなり欧米ロジックに合わせて恣意的事実構成がされているという感じですか。

中村 はっきり言ってフィクションですね、あれは。

── じゃあ、アフガニスタンの方々にとっては、イスラム原理主義的なタリバンというのは決して不自然ものではなかったわけですよね。

中村 ええ。アフガニスタンというのは非常に古典的イスラム社会なんですよ。オリジナルイスラム教に近い宗教共同体というか。しか国民の9割以上は農民または遊牧民なんですね。だからタリバン布告した政令なかに荒唐無稽ものもありましたけど、おおむね下層民のあいだでは定着している一般的風習だったんです。ブルカもそうですし。

  • まず賄賂を取らないとか、やり方がすごくクリーンであるとか。 結局これか。まずは腐敗をなくしてからじゃないと何兆円出したって無駄だということか。現地の人間に嫌がられよう...

  • いままさに国外脱出を図る難民が大発生しているのを見ると、この人も結局は「上澄み」の部分しか見てこなかったんだろうなと。

    • 逆じゃね タリバンとか政治とかよくわからん下々の人達のそばに居たってことでは? 今逃げてるのって上澄みでしょ、大統領とか

    • カブールの空港から脱出しようとしてるのって400万人の都市のうちの数千人だろ 要するに欧米文化と親和的な上流階級だけよ

      • 「カブールの空港にすぐ行ける立地条件の人間」だけで数千人集まってる時点で異常事態だろ 米軍基地から離れた場所に住んでる人達は国外脱出のために大移動始めてるし

        • 別に異常でもないやろ。政変が起きれば逃げる奴は出てくるわな。

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