2021-08-13

ひろゆき問題点説明が下手なこと

ひろゆき位置エネルギー批判されたことにまだ納得がいってないらしく、またTwitter喧嘩を始めているので少し書く。

ひろゆき自覚していないようだが、実は説明がかなり下手である

その原因は以下の3点:

相手自分の前提知識が違うことを考えない

自分の持っている知識が全て正しいと思っている

世界理解するのが簡単だと思っている

今回の「位置エネルギーは嘘」発言に関して、まずひろゆきの前提知識

中学で「高いところにあるもの位置エネルギーが大きいので落ちた時のダメージが大きい」と習った

中学で「位置エネルギーU=mgh」の公式を丸暗記させられた

この前提のもと、ひろゆき

・高いところにあるもの重力があるから落ちてきて地表にダメージを与えるのであって、位置エネルギーという謎の概念を持ち出さなくてもいいのでは?

・hを大きくすると物体宇宙空間に行くが、そうなると物が落ちてこないので地表へのダメージが0になる

と考え、「位置エネルギー便宜上導入された本来不要な物」と結論づけた

この結論おかしいのは、我々の前提知識ひろゆきの前提知識が違うこと、またひろゆき自身の誤解によるものである

まずひろゆき勘違いしているのは以下の2点:

宇宙空間では無重力であり、地球重力が働かないと思っている

位置エネルギーU=mghは様々な仮定の下で成り立っていることを知らず、普遍的ものだと思っている

U=mghは、重力による力F=-mg一定であり(地表近く)、地球対象物体しか存在せず、他の星やその重力による影響が無いと仮定した時に導出できる

ひろゆきのように宇宙スケールで考える場合重力による力Fは地球から距離rの2乗に反比例するためF=-GMm/r^2になり(Mは地球質量、Gは重力定数、rは地球の中心から物体への距離)、位置エネルギーU=-GMn/rとなる

したがって、物体の高さrをどれだけ高くしようとも地球重力のみが働くので、無限時間待てば物体は必ず地球に落ちてくる

さら重力距離によって突然消えてなくなることはないので、ひろゆきの言う「重力圏」の外でも重力は働いている

「突然落ちてこなくなってエネルギーが0になる」という発言は、これらの勘違いが生んだ明らかな誤りである

中学でU=mghを覚えさせられた人にとって、位置エネルギー計算を楽にするための謎の概念に見えてしまうのはしかたがないので、「位置エネルギーなんか使わず重力で落下ダメージ説明すべきだ」という結論に達してしまうのは少し納得できるが、場のポテンシャルや力を学んだ人にとっては何を言っているかからなくなるので、結果としてひろゆきとそれ以外の人とが分かり合うことはない

ひろゆきは「頭の悪い人にもわかりやす説明したつもりだが、なぜ分からないのか」と配信愚痴っていたが、ひろゆきの前提知識特殊すぎるせいでそうなっている

位置エネルギーひとつを取ってみても、背後には様々な仮定理論存在する

それらを完全に無視して、中学の時に習っただけの知識から独自解釈物理学を発展させるのは非常に良くないので、まずは勉強をし直すことをおすすめする

ひろゆきが頻繁に言っている「位置エネルギーではなく重力説明」という表現がなぜおかしいのかが分かるようになるまで勉強理解することができれば、それを他の物事にも応用し、世界をより深く理解できるようになると思う

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