2021-08-05

竜とそばかすの姫 と 白ハゲまんが

普段ブログには悪口を書かないことにしてるのでこっちで。

すばらしい高知中部西部風景とそれを再現した背景スタッフ、才能あるあまたのスタッフによるすばらしい仮想空間内のビジュアルと、音楽。(音楽に関しては見識がないのでどれくらい素晴らしいかわからん)とそれをまとめ上げる低レベル脚本ストーリーテーマ)。

わかりやすいのはまあいいです。

オープニング。ナレーション舞台となる仮想世界説明を15分くらい(体感です)やる。

そういうのが許されるのは1970年代スターウォーズだけ。

予告で見た「竜の正体を探す」。容疑候補者リスト開陳シーンで、こいつだ、って一瞬で分かりましたよ。まあ、これは「吹き替え洋画第一幕に出てきたモブキャラが、後半で実は重要人物だったと明かされるけど、大御所俳優が声をアテてたので最初からバレバレだった」くらいの話で、欠点にはならない。(画面に初めて映ってから体感60分後の”僕が我慢すれば”のセリフふつうに「あーそういうことね・完全に理解した」とわかります。)

端的に言うと登場人物全員がのっぺりでうんざりしました。何の陰影もない。テーマ奴隷。敵も味方も全員監督代弁者

特に主人公グループ以外のキャラクター(敵側)の薄っぺらさ、記号性。 きれいに描かれたキャラクター大文字で朱書されたレッテルが貼られた繊細チンピラネット当たり屋)に正義マン自治厨ソードマスターヤマト最終回キャラ並みにぺらぺらとよくしゃべる。


この映画クライマックス主人公の歌が流れるわけですが、映画館に座ってるスクリーンの前の観客が感動する前に、画面の中のモブキャラが泣くんですよ。もうね。滂沱。巨人の星みたいな。エシディシの あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ みたいな。

例えば、キートンなりチャプリンなりコメディアン自分では笑わないじゃないですかグルメ番組レポートで「美味しい」と言っていいのは素人だけじゃないですか。

でも、細田守はそれをやる。

『べ、べつにあんたのことなんて何とも思ってないんだからね!』ってセリフを言ったキャラクターを見て、「ああ、このキャラクター相手のことをなんとも思ってないんだな」と受け止めるレベルの観客を想定して作ってる。

馬鹿にするのもいい加減にしろ

  • https://realsound.jp/movie/2021/08/post-826656_2.html これによるとキャラクターの言動のみならず、音楽「も」説明に終始している、と。

  • anond:20210805225526 登場人物がのっぺりしている。 https://www.tbsradio.jp/articles/42492/ 宇多丸氏は #たとえば今回の、悪事を働いているっていうことになっている、「竜」が出てくるわけですね...

    • バスケ部男ものっぺりしているが、それは許す

    • 竜とそばかすの姫とディズニー作品の違い 「魅力的な敵役がいない」 『101』ならクルエラ、『ラプンツェル』だったら母親、『美女と野獣』だったらガストン『アラジン』ジャファ...

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