2021-07-10

テレワークできないエッセンシャルワーカーの20卒が2020年上半期を振り返る

 20卒は「入社早々オンライン研修で~」「新卒からテレワーク上司とのコミュニケーションが~」といった取り上げられ方をすることが多いように思う。確かに4月から自宅待機や自宅でのオンライン研修体験した者は数少なくないだろう。新聞ネット記事はそのような20卒にフォーカスするものが中心だったように感じる。しかし自宅待機やテレワークができないエッセンシャルワーカーにも新卒存在する。そういうわけでその1人として2020年上半期を振り返ってみようと思う。

2020年1~3月

 聞いたことのないウイルスがどうやら中国流行り始めているらしいことをニュースで知る。国内では豪華客船における感染者の話題が盛んではあったが、まだ対岸の火事という気分だった。しかし翌月に予定していた卒業旅行ヨーロッパ)が中止になり、卒業式の中止が大学から発表されるとさすがに他人事ではなくなった。それと同時に気にかかっていたのは4月から仕事のことだった。コロナ対応で激務になることが確実に予想される仕事だったからだ。教授同級生からは「こんな時期に大変そうな仕事だね」と同情された。同じ仕事をしている大学の先輩は毎日夜遅くまで帰れず、休日出勤しているらしいということも知った。その時点でかなり不安だったが、当時自分イメージしていた大変そうというイメージはまだ生温いものだった。

 3月の終わりになると、多くの大企業4月以降の自宅待機やオンライン研修の案内を開始した。そういった企業内定していた友人たちはそうした話題で盛り上がっていた。自宅待機でも全額給与が支払われる予定の者は喜んでいたように思う。しか自分内定からは4月があと数日で始まるという段階になっても一切連絡がなかった。本来なら同期全員が集まって対面で研修をすることになっていたのだが、実施するのかどうかさえも分からなかった。予定されていた研修場所職場は別の場所なので、研修の有無によって定期券の買い方だって変わってくる。連絡がないことで内定先への不信感がかなり募っていた。

 そして3月最終日の夕方になってようやく連絡がきた。結論から言えば「研修は中止です。明日から出勤して現場で働いてください」ということだった。何も分からない新人研修なしにいきなり現場に放り込んでどうするつもりなんだ? 採用時には研修に力を入れていることを売りにしていたのにと思ったが、新卒自分に逆らうという選択肢はなかった。

20204月

 そういうわけで言われるがままに4月1日から研修なしに現場直行した。コロナ対応で激務になる仕事だということはなんとなく分かってはいたが、実際は想像していたよりも数倍酷いものだった。入社初週から休日出勤させられていた同期、4月から100時間残業させられた同期、ストレス業務中に倒れて病院に運ばれた同期がいた。新卒でこの状況なのだから2年目以降はこの比ではなかった。現場はかなり殺気だっていた。

 そして緊急事態宣言が出された。そもそもパソコンが1人1台支給されていなかったのでリモートなんてやりようがなかったのだが、緊急事態宣言中でも毎日出勤を余儀なくされた。業務特性上、緊急事態宣言さら現場の忙しさに拍車がかかった。

 研修なしに激務の現場に放り込まれ、未知のウイルスへの不安を抱えながら毎日通勤するのはかなりのストレスだった。しかしそれを共有できる相手はいなかった。職場では先輩や上司自分以上に大変なのだから愚痴を言うわけにはいかない。それに周りの友達給与全額支給の自宅待機や、自宅でのオンライン研修ばかりだった。

 未知のウイルスへの不安といえば職場でのコロナ対策も酷いものだった。マスクの着用は徹底されておらず、マスクをせずに咳をする社員複数いた。また、昼食スペースでのソーシャルディスタンスなんてものは一切配慮されておらず、10数名の社員毎日喋りながら昼食をとっていた。この辺りは他の現場感染者が出たことで多少は改善されたのだが、当時はとにかく不安だった。

20205月

 先輩の多くはGW返上仕事をしていたのだが、この時点での世間話題は「おうち時間」だった。「暇な時間で〇〇を~」という特集が多くなされていたので、世間職場とのズレを多く感じた。大学同期の大半も「おうち時間」を満喫してSNS投稿していたのだが、それを見る余裕はいろいろな意味でなかったので全SNSを削除した。

 SNSといえば他にもストレスに感じることがあった。たとえばある飲料メーカー間接部門テレワーク中)の人間からはこんなLINEが突然送られてきた。

 『出勤とかマジありえなくね? 俺だったら怖くて外なんか出れないわw 今外で働いてるやつとかただの負け組だろ』

 自分飲料メーカーの仕組みなどろくに知らないが、スーパーで並ぶペットボトル1つとっても、在宅できない工場で働く人、運送業者スーパー店員などが関わっているのではないかと思う。このLINEを送ってきた人間は間接部門で働きながら自宅でそうした人間も見下しているんだろうな。

 話がそれてしまったが、今でこそ普及した「エッセンシャルワーカー」という言葉はこの時点ではあまり知られていなかったように思う。医療従事者に感謝しようという動きはあったが、それ以外のエッセンシャルワーカーはあまり注目されていなかったような気がする。

20206月

 相変わらず激務だったが、もう出勤は仕方ないと思い割り切っていた。6月中旬になって初めて出社した20卒もそれなりにいたようだ。

 複数現場で過労で倒れる人、コロナ感染者が出てきた。

 そんななか内部の偉い人が全社員宛てにメールを送ってきた。詳しくは覚えていないが「出勤できる喜びを噛みしめよう」みたいな感じだったと思う。ウケ狙いかなとも思ったが、おそらく大真面目なやつである。若手社員は少なくともドン引きしていた。中堅社員は分からないが、多分激務の中でそのメールは埋もれて読んでもいないと思う。

2021年7月

 あれから1年が経った。消えていった同期や先輩もいるが、多くは今も在職している。不思議に思うが、そういう自分もこんなところに長文を投稿しているのだから人のことは言えないのだろう。

  • 業績あがったなら、ボーナス期待したいね

  • 言いたいことがうまくまとまってないし、隠したいことが多いにしても体験としてまとまってる話もなければ、エモーショナルなエピソードもないしなんかつっこむところがない読後感 ...

  • 特定のエッセンシャルワーカーを多く輩出する学科じゃないとしたら、周りの友達とは離れてエッセンシャルワーカー職を選んだということかな 手に職持っててよかったと思える日がき...

  •  『出勤とかマジありえなくね? 俺だったら怖くて外なんか出れないわw 今外で働いてるやつとかただの負け組だろ』 リモートワークはてな民もみんなこんな感じで凄えムカついた

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