2021-06-27

代替肉の肉まんギョーザ春巻中国で広まる「植物肉」

これは良いな

5000万人が肉を食べることをやめれば恩恵は計り知れない

経済的メリットを優先することで、結果的環境動物保護になるのが代替ビジネスのよいところ

代替肉の肉まんギョーザ春巻中国で広まる「植物肉」

第3回中国国際輸入博覧会で出品されたビーガンナゲット2020年11月7日撮影資料写真)。

東方新報中国で「植物肉」といわれる代替肉が広まりつつある。有名料理店やファストフードコンビニなどで次々と新メニューが登場している。

 中国では仏教道教の影響で、古くから「素食」という文化がある。肉や魚、卵、乳製品のほか、にんにくねぎ玉ねぎらっきょうニラの「五葷(ごくん)」を食べない中華ベジタリアンだ。近年は健康志向環境保護動物愛護の観点から素食家が増え、5000万人に上るという推計もある。

 植物肉は大豆エンドウ豆などから植物性タンパク質を抽出し、それを原料として加工して動物性肉製品に似た味と食感を再現したもの中国では国内メーカーの斎善食品、鴻昶食品米国ビヨンドミートBeyond Meat)などが知られ、近年は「星期零(Starfield)」「植愛生活」「珍肉(ZhenMeat)」などのスタートアップ企業誕生植物事業に参入している企業は5000社を超える。

 中国メディアによると、老舗ハムメーカー「金字火腿」は2019年から植物肉を使ったハンバーガーティ販売。「星期零」は人気のティドリンクチェーン「奈雪の茶(NAYUKI)」との提携植物バーガー店舗販売している。2020年にはスターバックスStarbucks)がビヨンドミート提携して植物肉のメニューを取り入れ、マクドナルド植物性の朝食用ミートケンタッキーフライドチキンKFC)は植物性のチキンナゲット販売している。フランス系スーパーカルフール(Carrefour)は植物肉のギョーザ春巻き、ファミリーマート(Family Mart)では電子レンジ調理できる植物肉のパニーニパスタ店頭に並んでいる。

 有名料理店でも植物肉のメニューが登場している。上海の老舗素食料理「松月楼」は植物肉を使った肉まん販売火鍋料理チェーン大手「海底撈(Haidilao)」は上海市の約30店舗試験的にメニュー植物肉を取り入れており、植物性のスープの素も販売する予定だ。

 2019年設立新興企業「妙鮮」は、病院食に植物肉を取り入れるテスト事業を進めており、1000か所の医療機関パートナーシップを結んでいる。2020年12月には中国食品科学技術学会植物性肉製品の基本条件や包装、輸送、保管について規定を発表。ルールを整え、植物肉はさまざまな市場に広がりつつある。

 植物肉は、都市部に住んで収入が高く、健康を重視し環境問題動物保護意識が高い人が好んでいるという。中国植物市場2019年に5年前の2倍にあたる70億元(約1193億円)に達し、中国シンクタンクによると、2025年には中国植物肉の市場規模は150億元(約2557億円)に達するという。

 一方で、「植物肉は味が物足りない」「通常の肉より高い」という声が多く、大きなブームになっているとは言えないのが実情だ。

「植愛生活」の陳瑞栄(Chen Ruirong)CEOは「植物市場は味・食感の問題と、コストパフォーマンス問題がある。本物の肉より高ければ、興味本位で食べても再び買う人は多くない。この2つの問題解決してこそ植物肉が国内で普及するが、それにはまだ時間がかかる」と話す。「珍肉」の呂中茗(Lv Zhongming)CEOも「国内植物市場はまだ初期段階にあり、消費者向け商品に発展させるには長い育成期間が必要である」と述べている。(c)東方新報/AFPBB News

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