“あなたのと思い出が私を生かす”
連絡を取り合えていた頃は、会いたいだとか、もっと一緒にいたいだとか言い合っていたけれど。
それがなんて贅沢なことだったのだろうと、今になって思う。
帰り道にメールをチェックしないことにも慣れてきたし、あの人の名前の最初の一文字で出てくる予測変換も、もう他の言葉に変わってしまった。
あの人が今、何をしているのかさえ分からないし、共有したい日々の出来事も私の胸に留めておくしか出来なくて。
今、許されている(…かどうかは分からないけど)のは、お互いの気持ちを信じて毎日を過ごすことだけで。
もう二度会えない訳ではない。
でも、あの頃みたいに親密な濃い時間を2人が過ごすことは無い可能性もある事が受け止められない。
冒頭の一言は、谷川俊太郎の「あなたはそこに」の中に出てくる言葉なんだけど。
初めて読んだ時は、15年後の自分が同じ状況に立たされてるなんて思ってもいなかったなぁ…。