2021-06-14

立原透耶「拡散希望」の問題点拡散希望

ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%8E%9F%E9%80%8F%E8%80%B6

立原 透耶(たちはら とうや、1969年2月8日[1][2] - )は、日本小説家翻訳家中国語)、北星学園大学文学部准教授中国文学)[3][4][5]。2000年までは立原とうや名義を使用していた。本名山本範子[6]。

大阪府まれ[2]。奈良県で育つ[2]。父の山本稔は数学者大阪大学教授を務めた[7][8][9]。

1991年、『夢売りのたまご』でコバルト読者大賞を受賞する[2][4]。翌年コバルト文庫からデビューファンタジーホラー怪談などを執筆日本SF作家クラブ会員。王晋康など中国SF翻訳も行う。

いま話題中国SF『三体』の日本語版監修でも知られている。

立原透耶『拡散希望』|北海道ミステリークロスマッチ|note

北海道ミステリークロスマッチという企画の内の一作らしい。

ネタバレ前提で語るので、できればリンク先の作品を読んでから進んでもらいたい。短編なのですぐ読めるだろう。



























猫かと思ったら人間で、人間かと思ったら猫(又)だった、というミステリとしてのオチ部分は別にいい(正直この叙述トリックもそんなに上手くハマってない気はするが)

俺が気になったのはこの小説で、犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人が描かれていることだ。

犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人を描いて何か悪いのか?ただの小説だしヒョーゲンのジユーだろ!?という声もあるかもしれない。もっともな意見だ。

しかに、犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人なんてものは、これまで小説でも漫画でも映画でも腐るほど描かれてきた。現実でも実際にこのまんまな事件存在するかどうかは知らないが世間一般感覚では、犯罪加害者家族イジメ被害者知的障害引きこもり動画配信者や独身男性犯罪を犯して当然の存在であり、フィクション内で描かれる彼らの女児誘拐監禁レイプ殺人も、何の違和感もないごく自然イベントの一つでしかないのだろう。

からもし作者が、大衆感覚迎合するようなスカッと露悪エンタメとしてこの作品犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人を書いたつもりなのであれば、それはまあそういう需要もあるよねと納得はできる。売文稼業も大変ですねと労ってあげたいぐらいだ。

しかし、作者である立原透耶氏のTwitterを見てみると、過去にはこんな発言をしていることが分かった。

ttps://twitter.com/ttouya/status/987722368012316672?s=19

テレビに出ている人が、ご自身セクハラ被害など様々な不快な事を不快だと宣言された。しかしその方の発言により多くの方々が不快であると表明されている件についてはどう思われるのだろうか?間違った知識を広めたり、差別助長する発言をされたりとか。被害意識はわかった。次は加害意識をぜひに

ttps://twitter.com/ttouya/status/988930817454784512?s=19

以前、わたしと同年代独身女性が亡くなったとき彼女を悼んだある女性が、あの人はちゃん彼氏もいた、いわゆる結婚できない女ではなかった、まともな、素晴らしい女性だった、と言った。一瞬、悼む気持ちが吹っ飛んで目が点になった。判断基準が謎すぎる。

ttps://twitter.com/ttouya/status/988931421300375552?s=19

自称フェミニスト女性が、わたしに対して、何かあるたびに、結婚してない人にはわからないわ!子供を産み育ててないあなたには理解できないわ!あなたはしょせんその程度の経験値なのよ!と仰る。独身なら独身の、子供がいないなら子供がいない、そういう経験値を積んでいる。互いに尊重すべきでは?

ttps://twitter.com/ttouya/status/988932416608780288?s=19

わたし年代独身子供なしだと、そりゃうもう罵詈雑言浴びせられまくっているわけで。若い頃は独身から手頃に遊べる相手とみなされたセクハラが多く、一定年齢越えると、結婚できない哀れな人、問題のある人扱い。いやまあ変わり者だけどね、実際。でも言っていいこと悪いことはありますよ。

ttps://twitter.com/ttouya/status/988967869395316738?s=19

あー良くありますよね。独身男性にはゲイだろ!発言。側で聞いても不愉快です。その発言の中に何重もの差別が含まれていることに、なぜ気づかないのか。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1004857467312922624?s=19

亡くなった父は昭和7年まれで、子供の時に戦争体験して、周辺に死が当たり前のように蔓延していたのをいつも語ってくれた。だから戦争反対で言論思想の自由を唱え、教育の大切さを常に主張、あらゆる差別に対しても猛然と憤っていた。さら禁煙権も主張していた。つくづく新しかったと思う。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1004857961670250496?s=19

うっかり差別的な発言をしようものならこっぴどく叱られ、お前が言われる立場になったらどう思うんだ?と考えさせられた。専業主婦の母に給料を手渡す時には必ず、君が家庭をしっかり守ってくれているから稼げた、半分は君の稼ぎだ、と伝えていた。当時は本当に珍しいひとだった

ttps://twitter.com/ttouya/status/1045864270565539840?s=19

生きてたら87歳になる父は、わたしが幼い時から、娘さんをください、とか売れ残り、という言葉テレビなんかで聞くたびに激怒して、俺の娘はモノじゃない!俺の妻もモノじゃない!女性はモノじゃない!こんなこと言う奴がもし来ても絶対結婚認めないぞ!と吠えていましたが、父よ安心したまえ。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1045864786842374144?s=19

娘、ずっと独り身だからw

折に触れて思い返すけれども、亡き父は本当に差別とか大嫌いだったし、人はその人個人判断せよ、という一本筋の通った人はでした。頑固な面もあったけれど、思想的にはとても柔軟で進歩的わたし大学院生の時に急死してしまったのが、本当に悔しい。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1048772034803560449?s=19

家庭内女性差別がという書き込みをよく見るんですが、我が家は父と弟がたこ焼きやらすき焼き担当し、さらに蟹とか面倒な食べ物はぜんぶ身を取り出す役目で、母が一番に、そのあとで姉とわたしがもしゃもしゃ食べていた。なので、一人暮らし始めたら、結構確率で何もできないことに気がついた

ttps://twitter.com/ttouya/status/1048776023209197568?s=19

ちなみに生きてたら、今年87歳ですよ、うちの父。差別が嫌いであらゆる差別に敏感だった。私たち子供の何気ない一言にも、それは差別意識がある!傲慢だ!と叱ってくれた。こういう大人になりたかったけれど、わたし自身はかなり抜けてるので、頭がいい人にはなれず、器用な人にもなれず。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1099938651717300224?s=19

https://t.co/Ffge9Zecm9

『ヒョンナムオッパへ』読了作品として楽しめたのは後半二作でサスペンスSFもっとも激しい衝撃を受けたのは「更年」で、女性差別を実感しながらも男の子母親として女の子差別する、娘がいるのに!その娘にはこれからの苦難を思って涙するという激しい矛盾

ttps://twitter.com/ttouya/status/1099939185115320321?s=19

韓国社会における根深女性差別実態が正面からぶつかってきて、息ができなくなった。読み終えてしばらく息ができなくなり、かなり精神的に落ち込んだほど。これは韓国だけの問題ではない。日本の、世界が抱える問題で、私の、私たち問題だ。

どこかでちゃんとした長い感想を書きたい一冊。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1165136503548203009?s=19

タクシー運転手さんがいろんな意味差別的な発言を繰り返すので、1つ1つ丁寧に反論した。一番ムカついたのは理由のない嫌韓嫌中で、思わず中国人の親友韓国人の尊敬する友人もいます。どちらの文学も素晴らしいですよ!ご飯も美味しいし!中国わたしにとって心の故郷なんです!」て言った

ttps://twitter.com/ttouya/status/1206575439310770177?s=19

そういや高校の時の人権作文の宿題で、古事記日本書記における差別意識について書いたら、社会科先生に呼び出され、同時はそのような考えだから仕方がない、それを差別というのはおかしいと懇々と説教された思い出が。もちろん当時も今も納得してませんw

ttps://twitter.com/ttouya/status/1247098426510036992?s=19

すごくファンだった方が、「武漢ウイルス」とか書いておられて、泣きたくなった。つらい。

ttps://twitter.com/ttouya/status/1247104386179821568?s=19

おっしゃる通りです。そしてそれを差別意識されてない方も多いように感じます



なるほど、作家基準で見ても、差別問題特に女性差別外国人差別には普段からかなり敏感な方らしい。「あらゆる差別に対しても猛然と憤っていた」御父上の薫陶のたまものだろうか。



いやいやいや……

ここまで差別問題に敏感なはずの作家が、高菜、食べてしまったんですか犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人なんていうステレオタイプを、何の注釈留保も無しにストレートに書いてしまったんですか!!!!????

それは、なんていうか、さすがにマズくない?

この作品の中に何重もの差別が含まれていることに、なぜ気づかないのか!!!そしてこれを差別意識されてない方も多いように感じます!!!!!ってなもんよ。

敢えて最大限好意的解釈するなら、加害の連鎖がより弱い方に向かう問題や、たとえ弱者であっても成人男性女児では決定的な非対称性存在することを強調したかった可能性はある。しかしそれで「犯罪加害者家族イジメ被害者でたぶん軽度の知的障害もある引きこもり動画配信者の独身男性による女児誘拐監禁レイプ殺人」の差別性が、完全にチャラになるような書き方をされているとは到底思えん。

ここまで露骨で極端なケースはなかなかないだろうが、反差別リベラルフェミ寄りな人々が、自分たち認識できる「差別」の範囲から外れたところでは差別に加担していること自体は実はありふれている。たとえば、イジメ被害者根性ひん曲がって凶悪犯罪者・悪役になるというような展開は、「拡散希望」に限らず反差別リベラルフェミ的な作家でも平然と(しばしば揶揄的に)書くことが多いし、反差別リベラルフェミ的な読者も抵抗なく受け入れているようだ。

現実で実際そういうことがあるからそれを反映して書いているだけ、といった反論が予想されるが、それを言うなら外国人による凶悪犯罪なんかにしたって、現在日本でも(件数割合はともかく)普通に存在するし、世界全体を見ても一般的に移民が増えると治安悪化する傾向がある(とされている)。それでも、外国人犯罪の脅威を煽るような内容は差別的であり軽々しく書かれるべきではない、という認識反差別リベラルフェミ勢力の間では共有されてるんじゃなかったのか。俗悪なステレオタイプタダ乗りすることで対象を追い込みただでさえ巨大な生き辛さをいっそう加速させるという点で、イジメ被害者、そして犯罪加害者家族知的障害者や引きこもり凶悪犯罪展開は、外国人犯罪と何が違うのか。

こういうことを指摘すると、反差別側だけが一方的に高い義務を課される不公平さが語られたりするが、さすがにこれは本当に反差別の側に立ってるつもりなら当然非難されてしかるべきレベル瑕疵しかないでしょ。守られるべき弱者と思う存分石を投げていい弱者の間に恣意的に線を引いておいて、反差別もクソもないだろう(まさか犯罪加害者家族イジメ被害者知的障害者や引きこもりが「弱者であることまでは否定しないよね?)

もしもここまで言われても自作問題に全く気づけないとしたら、立原透耶氏は二度と差別について語るべきではないし、作家としても筆を折るべきだとすら思う。自らの加害性に無自覚人間プロ作家立場で無邪気に反差別ゴッコを続けるのは、社会にとっては無益を超えてはっきりと有害からだ。

立原透耶氏および「拡散希望」を無条件に公開した北海道ミステリークロスマッチには、猛省を求める。

(猛省を求めるというのは猛烈に反省してくれというだけの意味であって、作品の公開停止などを要求するものではない)

(この増田は、犯罪加害者家族イジメ被害者で軽度の知的障害がある引きこもり動画配信者で独身男性女児誘拐監禁レイプ殺人犯によって書かれました)

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん