2021-06-12

口だけで何も動かないワナビーの友人が50歳になった

タイトルの通りなんだけど、なんだか現代寓話を見ているような気分。

友人は派遣社員をやりながらずっと漫画家を目指している。

学生時代からずっと──つまり30年近く目指しつづけている。

難関私大に入るもどうしても漫画家の夢が追いかけたくて中退

漫画専門学校に入り直し、卒業後は就職せずにフリーターをしながらの投稿生活を選んだ。

仕事は週4日に抑えて、家賃生活費も最小限にして暮らしていたね。

30歳のときはまだまだ余裕があった。40歳ときは焦っていた。

何も成果がなかったわけじゃない。

20代ときは頑張っていた。

青年雑誌で佳作かなにかを取ったこともある。

ガロに持ち込んだこともあるらしい。

でも、その頑張っていた時期でさえ──作品を完成させるのは2年に1回とかだった。

30代のときは人脈を作ろうと頑張っていたね。

いろんなクリエイタートークショーに行って話しかけていたそうだね。

それで仲良くなった有名クリエイターもいたようだね。

でも、きみはずっとプロになれなかった。

だって──作品を作らなかったんだから

40代になると人脈活動もやめてしまった。

そして、パッとしないまま──ついに50歳になった。

彼に会うと楽しそうに「こんな話を考えているんだ」と語ってくれる。

うんうん、そうなんだ。完成したらぜひ見たいよ。

けれども、彼の作品はいつまで経っても完成しない。

ほんとうに作っているかどうかもわからない。

いつも語られるのは構想だけ。

それなりにセンスのいいアイデアが出てきても、それを形にしないと意味がないんだよ。

それでいてコロナになって──友人は派遣社員のクビを切られた。

その報告をフェイスブックおもしろおかしくする友人。

コメントは励ましや同情であふれいて、ちょっとしたいい光景だった。

自分はこれで友人は創作活動に打ち込むんじゃないかと思った。

作品の持ち込みをするのでも、SNSでの発信を頑張るのでもいい。

後ろ向きな理由とはいえ時間ができたのだし、それに人生を賭けてきたのだからやらない理由がない。

しかし、なんと友人は──なにも動かなかった。

同居人の話によると、家でずっとYouTubeを見ているという。

もう10年ぐらいやっているツイッターは、たまにだれかの告知をリツイートするだけになった。

おいおい、無職になる前よりも発信が減ってどうする!

やる気が出ないのかもしれない。でも、きみはずっと漫画家になるための人生を送って来たんだろう?

友人はこのまま人生の終末期に入ってしまうんだろうか。

この30年、なんでもっと動いてくれなかったんだい。

大学漫研で同期だったあいつは、青年誌で連載して作品映画化もしているよ。

昔はよく仲いいアピールネットでしていたけど、ここ数年はぱったりと止めたね。

きみの人生漫画家になるためのものじゃなかったのかい

せめて作品だけでも作ってくれよ。

そうじゃなきゃ、いったいなんだったんだよ、きみの人生

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