2021-06-12

ソリティアおじさん2021

出勤している人の数を社員数の3分の1にして、テレワークしている人の数を増やさなくてはいけない。というお達しが会社の上の方の、あるいはさらに上の方のどこかからかあったらしく、緊急でやむをない事由がある場合を除いて、基本的テレワークになった。

もともとそんなに出勤したいわけでもなかったので、私はそれでいいと思っているのだけれど、問題は、「緊急でやむをない事由」って何?ということだ。

勤務先は、DX?は?デラックス?みたいな典型的日本企業で、ハンコの文化がいまだにある。書類にハンコをもらわなくてはいけないときは「緊急でやむをない事由」だと思って出勤している。そこは会社もわかっているらしく、特に何も言われることはない。

オフィスに行くとけっこうな数の人がいて、これって3分の1なのかなと思わないでもないが、その疑問をあえて口にする人はいない。わからないのは、オフィスに来てみんな何をやってるのかということだ。私みたいにハンコをもらいに来ているだけの人がそんなにたくさんいるんだろうか。あとは何かオフィスじゃないとできないことがあるんだろうか。(会議だって今は家から出られるし、そもそも出勤したところで出席者全員はオフィスにいないから、結局Teamsをつけて出ることになり、会議理由にはならないと思う。)

そういう疑問があって、他の人のデスク通りすがりに、PCの画面をチラ見するのが癖みたいになってしまった。だいたいの人はWordとかExcelが開いてあって、何かをやっている感が出ている。でもそれって、オフィスじゃないとできないことなのかなとは思う。ネットワークの都合上、家からは使えないシステムがあるという話は聞いたことがある。そういう人のOSはなぜかWindows 7に固定されているらしいので、あのキラキラしたタスクバーを見かけると、システムの都合上で出勤してるのかなと思う。

たまに見かけるのはソリティアをやってる人で、例外なく50代以上の人だ。さすがにソリティアなら家でできるのでは? むしろ家の方が気兼ねなくできるのでは? と疑問に思いながらはっと気づいたのだけれど、この人たちはオフィスの方がソリティア捗るのかもしれない。

家にいると、PCの画面を見た家族から、何で働いてないのか、今まで会社で何をやっていたのかと思われそうだし、こういう人は出る必要のある会議とかは少なそうなので、テレワークを続けていると、今度は会社の人から、何をやってるの?実はいらないんじゃないの?と思われてしまいそうだ。一方、オフィスに出勤してソリティアをしながら、何かをやっている感を醸しておいて、出勤してきた他の人と話などしてプレゼンスを示しておけばさらに何かをやっている感が醸し出されるかもしれない。なので、出勤してソリティアをやることがこの人たちにとっては最適解になっていて、「緊急でやむをない事由」なのかもしれない。

こういう人はソリティアをしながら近くの人たちの会話に耳を澄ませていて、何か乗れそうなことがあると乗り込んでくる感じで、ちょっとめんどくさいので、気配を感じながらもこっちは無視するオーラを出しながら会話することになって、その度に、なんだこりゃと思わないでもない。

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