ちょっと前の話なんだけど、ひょんなことから思い出しちゃったので書く。
文字数の関係でジャニーズって書いたけどジャニーズとソニーです。
発端はジャニーズ側だった。2020年にジャニーズ事務所から「SixTones」というアイドルグループがデビューした。(結成は2015年)
勘のいい人はお気づきだと思うが、ポピュラー音楽好きの人からすればストーンズといえば来年結成60周年になるイギリス出身のロックバンド「The RollingStones(ローリングストーンズ)」を指すのだ。
名前はよく知らなくてもローリングストーンズの代名詞ともいえるアイコニックなベロのロゴは見覚えある人も多いはず。
イギリス、いや世界でもっとも有名な現役のロックバンドと言っても過言ではないだろう。
今までであれば「『ストーンズ』というミュージシャンと言えば?」という問いをすれば回答のおそらく100%に限りなく近い値としてローリングストーンズが挙げられていたと思われるが、
今の日本の若者にとってはストーンズと言えばジャニーズアイドルであり、
結成からメジャーデビューを経てTwitterにて検索をかけるとロックバンドを覆い被さるようにジャニーズアイドルについてのツイートが大量に表示されるようになったのだ。
「ストーンズと言えばローリングストーンズだろ、ジャニーズとか(笑)」と老害ムーブをかける昔のロックファンがみられる一方、
「SixTonesに絡んでくるおじさんキモすぎ(笑)」なムーブをかますジャニヲタたちとのちょっとした分断が見られるようになった。
この頃は欧米のポップスやロックなどを日本に落とし込むをテーマにしているジャニーズでローリングストーンズを知らないわけがないのだから、
ちょっと避けた方がよかった気が、とは言えストーンってありふれた名前だし、とか、まあ決まっちゃったものはしょうがないけどもうちょっと配慮できたんじゃない?くらいの認識でいた。
ストーンズのメジャーファーストアルバムの発売が決まった。そのプロモーションでリリース元のソニーミュージック公式が使用したハッシュタグが
#ストーンズってそっちじゃない
だったのだ。
https://twitter.com/SonyMusic_JPN/status/1337215528092528642
そうなると、当たり前のようにローリングストーンズのファンは「ストーンズってこれでしょ?」とローリングストーンズの写真を冗談で載せたり、さらには「ありえないだろ」とキレるファンも続出。
一方そういったツイートにジャニーズファンは「ストーンズ(アイドル)のハッシュタグを汚さないで!」「アンチやめて」「アンチがツイートしても宣伝になってるだけだから(笑)」のようなツイートで反応。
プロモーション映像を見る限り「メンバーのふりをした石膏(ストーン)が話をしている=ストーンズってそっちじゃない」ということらしいのだけれど、
プロモ担当は100%Twitterでエゴサをしているため絶対にこの分断について把握をしている。
Twitterのプロモーションはつぶやかれたもの勝ちだ。そのためにわざと相手を怒らせる釣りプロモーションをやっているようにしか思えなかった。
上記の通り、自分はあくまで後出しストーンズ(というかメンバーではないジャニーズやソニーなど関係者)なんだから多少の謙虚さは持ち合わせてろと思っていた立場だったので、
当時、自分もそのような旨を(煽るような表現を使わずに)ハッシュタグをつけてツイートしたのだけれど、
すぐにジャニーズファンにRTされ、上記のような文句を言われてしまった。
正直アニメジャンルで同じようなことが起きていたらちょっとした炎上が起きていたと思う。ちょっと前に呪術廻戦で「高専」を検索避けしろとか言われてたあれとかね。
「『幽玄なる白い世界』略して『幽白』なるアニメが大流行して、幽遊白書ファンがキレてるのに公式が『#幽白はそっちじゃない』を推奨」とかしだしたらブチキレるよね?
もちろん「幽白」と「ストーンズ」の言葉の固有性は大きく異なるのだけど、ポップ音楽で「ストーンズ」といえば前述している通り絶対的に「ローリングストーンズ」なんだよね......。
(とはいえそれで文句言ってたら名付け文化みたいなものが萎縮してしまうので名前被ってる問題は見逃せるレベルだったのだけれど、ハッシュタグで煽るのはアウトだよね?という意見)
しかも、何よりSixTonesはもともと「シックストーンズ」と読んでいたグループだったらしい。
実は結成後に海外に同名の「The Six Tones」というバンドの存在に気づいたために「SixTonesと書いてストーンズと読む」方式にしたと言うのだ。
https://twitter.com/paulmochiyan/status/1362765279965503492
The Six Tonesに関しては私も知らないのだけれど、日本人でThe Six Tonesを知っているのであれば全員がThe Rolling Stonesのことを知っていると断言できる。
音楽関係者がストーンズという大物バンドの存在を気にしない訳がないだろう。なぜストーンズに関して配慮しなかったんだろうな.......(以下永遠に同じような文句が続く)
まあ正直しょうもないし、どちらのファンもアニヲタたちが持っているような同人文化をルーツに持つSNSや検索に対する共通認識やルールみたいなものがあまりない印象なので、ずっと続くんだろうな。