人間が社会性のある動物である以上、社会的強者と社会的弱者が出るのは当然で、だからこそ社会が弱者を救済しよう、というのが本来の成熟した社会のあり方だよね
資本主義が構造上失業者をシステムに組み込んでいるので、社会が失業者を救済するシステムを持っているのと同じこと
なので、被差別者がいるなら積極的に社会は救済しなければならず、それこそが社会の義務だし、つまりは強者の負う義務だ
その義務を全うせず、その強者性を利用してハラスメントを行う者は確かに存在していて、そんな強者男性は間違いなくクズだ
だが、そんな振る舞いが可能なの強者と言える立場の人間はそもそも社会の1%程度だろうし、その中でもクズな振る舞いを実際にするやつはもっと少ない
にもかかわらずだ
昨今の弱者男性論を見ていれば、男性は、妻子がいるだけで強者、正社員であれば強者、尊敬される職に就いていれば強者、とまで言える雑な議論になっている
妻子がいる男性の方が未婚より信頼感がある、と感じる社会だから待遇差が生じることもあるだろう
フリーターを汚物を見るような目で見ていた女性が医師に目を輝かすこともあるだろう
でもそれって、男性個々人のせいなのか?
違う
そんなことは誰だってわかっているだろう
それなのになんだ
弱者男性も本当は強者男性になって強者性を発揮したいのでしょう、みたいな性悪説じみた言説が出たと思ったら、いやいやそんなことはない!と必死に打ち消そうとするやりとり
「お前は力がないだけで本当は悪なんだろう?」「いやいや僕は悪じゃない!」ということだろ?
「お前は悪の手先だからいい待遇なんだろう?」「いやいや私は悪じゃない!」ということだよね
みなさんが強者男性と呼ぶ言葉って蔑称なんじゃないですか!?!?
男性の性加害性は当然ある
ただ、それに限らず、弱者男性論で書かれるような、女から男へのモテないイジりなんかももちろん性加害だ
発生頻度が男から女へが多い、というだけだ
でもそれってあくまで個々人の話なんだよ
発生頻度があまりに多い問題は社会が対処する必要があるから、何も変える必要ないと言っているわけじゃないし、問題は解決していくべきなのは間違いない
実際、もともと性犯罪の条文は男の加害のみを想定したものだったし、女性専用車両なんかができて女性を保護するシステムを作ったり、セクハラ教育を浸透させたり、社会は対策を講じている
それはよいことだ
でもだからって、「強者男性=全員が暴力の悪魔」みたいな前提ですべての弱者論を論じるのは間違ってないですか?
いや、もっと正確に言えば、一般的な普通の男性に強者という蔑称じみたレッテルを貼って行う差別じゃないですか?
私自身、大学教員で専業主婦の妻と、子供が2人いるので、最近の文脈で言えば強者で間違いないだろう
でもそんなことでいいなら、女性も弱者男性もバイト店員に高圧的に出れば強者性を発揮できるだろう
実際、そんなことしても何にもならないから、一部のクズ人間しかしないだけだ
弱者論者達が強者男性差別をしても強者男性が怒らないのは、実際にはほとんどの男性が利用できるほどの強者性を持ってないから、自分のことを言われていると気付いてないだけだ
関係ないと思っている