本日、2021年度科研費の採択状況がKAKENに登録されましたね。全国の研究者の今年の科研費採択状況がわかるので、普段メディアで発言されている先生方の、業界内での評価を見るいい物差しになります。
加えて、科研費の申請は、その研究者が今まで何を行ってきて、これからどうやって社会に研究を還元するつもりかという自己紹介文です。そのため、申請を読めば、その人の学術的な実力も透けて見えることがあります。
はてブで、よく言えば非常に含蓄のある、悪く言えば上から目線なコメントをする、国立大学に籍を置く学者の方がいらっしゃるのですが、その方の科研費の採択状況を見に行ったら落ちてしまっていました。
ブログに確定前ではあるもの、申請内容あげていらっしゃったので拝読したのですが非常にレベルの低い申請書でした。
まず、どういった学術的な課題を解決するのかがまるで記載されていませんでした。
また、ここ数年の学術的成果も芳しくありませんでした。
そして、テーマが学術性を欠いていました。そのテーマの社会的意義は十分理解できるのですが、それは学術の世界で行う議論とはかけ離れてしまっていたのです。
まとめると、未確定の申請内容を見る限り、
「これでは科研費は取れませんよ、なめているんですか?」
という申請書でした。
正義感からか、はてブや専門外の分野へのコメントをブログに記載することが目立つ先生なのですが、研究者としての視点からみると、あまり優れた実力をお持ちとは感じられませんでした。
研究者は実力が求めらる業界であり、研究を通して世の中に何かを還元する責務があります。
その先生が普段社会に向けている正義感が、自らの怠慢に向かっていないことに疑問を覚えました。
今後は今回見つけた事例を他山の石として、はてブの星の数に気を取られないように気を付けて、自分のやるべき仕事をしっかりやっていきたいと思った次第です。