2021-04-12

受験勉強をしたかった

最近仕事おもしろい。それでしみじみ思うのは、ああもっと十代の頃に、まじめに大学受験勉強を、あるいは血肉となるような勉強を、したかったなあ、ということである


自分はたぶん、学がない。たとえば地名だとか。●●の定理だとか▲▼の公式だとか。単純な暗記と、それに紐づいた概念自分の中で体系づいていない。いちいちインターネットで調べる(インターネットマジでありがとう)。世の中が、自分は覚えていないけれど他人は知っている情報だらけで怖くなる。たぶん高校生、いや中学生のほうが自分よりよほど賢いと思う。たくさん話すと自分バカだということがバレてしまうので、それが怖くて、話すのは注意深くなった。

自分学力に強いコンプレックスがある。その理由は、自分が転落型落ちこぼれだったせいだ。自分高校三年次が、軽い登校拒否状態であった。朝、家を出た後、垣根に隠れて親の出社を確認した後に家に戻り、親の声真似をして学校電話をかけた(「今日子供の具合が悪くて」等)。その後はなにをするでもなく寝るか、あるいは部屋の隅でうずくまっていた。そういうことを週に二回程度おこなった。

登校拒否理由は「授業についていけないから」である。通っていたのは進学校で、一度ついていけなくなるとまるで追いつかない。思えば入学時は、予習も復習も「楽しいから」やっていたが、一度「つらい」と感じるとあとは転げ落ちるようだった。入学時は学年で前から30位くらいの順位だったが、卒業時は学年で後ろから10番目くらいの成績だった。一年から進学塾東進衛星予備校)に通わされていたが全部寝ていた。


臆病な自尊心尊大羞恥心とはよく言ったもので、当然のことながらプライドはずたぼろだった。進学校通っていた子供は多かれ少なかれ皆そうだと思うが、小学生の頃からあなたは〇〇高校に通って、その後は地元で有名な◇◇大学へ行くのよ」と言って育てられる。そうして家族から様々なリソース供給を受ける。実際途中まではうまくいっていたのだ。全部自分が滅茶苦茶にしたのだ。幸運にもなんとか大学地元で有名な◇◇大学ではないが)には行けたが、これに受からなかったら特急列車に飛び込んで死のうと本気で思っていた。


詰め込み型の大学受験については批判もあるが、自分はやはり一定価値のあるものだと思う。とりあえず突っ込んで覚えてしまわないと話の土台に立てないし、十代の柔らかい頭脳からこそ吸収できることも多いのだから。それに大人になってからもっと大学受験勉強がしたかった」と思う人生は悲しい。自分出身大学学歴職歴に不満はない。ただただ自分知識のなさ、愚かさ、根気のなさが悔しく、悲しい。

三十路になって、いまの高校指定教科書を買った。クッソむずいわ。いやほんと、高校生ってすげえのな…。

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