大学を卒業してすぐ今の会社に入った。明日で社会人2年目になる。
今日、頭にくることがあった。カチンときたというよりは、悲嘆や諦めに近い。
苦しかった1年間の話を聞いてほしい。
「先輩」の姿を初めて認識したのは、去年の4月半ばだった。
ひとつ上の先輩のSさんとお手洗いに行く途中、4階の端っこの方から彼が歩いてきて、すれ違った。
その人の顔をちょっと見ただけで私は、視線をSさんの方に向けた。大らかな感じの人だと思った。
3回もすれ違う頃には、同じ階の別の課で働く先輩だということがわかった。小柄なSさんが手を振り回すみたいにして、先輩のことを嬉しそうに語っていた。笑顔が素敵だって。
その時には、少し気になっていた。いつか話してみたいと思った。
「先輩」の見た目を表現するのは難しい。イケメンではない。中肉中背で、体つきがガッシリしていて、雰囲気が優しくて、視線が鋭い。
お客さんと話をしている時でも、優しい感じと怖い感じが交互に伝わってくる。
どんなキャラクターの人なのか全然わからないし、読めない。ミステリアス? こんな人は初めてだった。
なにより、笑顔がすごい。マスク越しだけど、きっと素敵な笑顔なんだろうなってわかる。子どもみたいに屈託のない笑顔が、直球で胸にドーンと響いてくる。
Sさんほか、同じ世代の先輩方(でも年下)と一緒にご飯を食べている時に、あの人(Tさんとする)の話題が出ることがある。その度に箸を止めて会話を聞いていた。
35代の半ばくらい。何かのスポーツで全国大会に出たことがある。雰囲気が独得。自分のことは人に話さない。思ったことは何でも言う。仕事ができる。役職はもってないけど、何千万円にもなる企画を自分で作って通している。後輩にマウンティングとか一切しない。冷たい感じに見えるけど、話してみると温厚……ということだった。
この1年間、記憶に残っていることをいくつか挙げる。
5月になって時差出勤が始まると、朝早くから職場に行かないといけないことが増えた。
ある朝のことだった。職場の窓口で掃除をしていると、Tさんが向こうから歩いてくるのがわかった。この窓口を通り過ぎようとしていた。
先輩の速度が急に遅くなった。向こう側の壁にあるポスターを眺めていた?
「おはようございます」と声をかけた。すると、こっちをサッと振り向いて、「おはようございます」って返してくれた。
笑顔が思ったよりすごくて、目が合いそうになって、うつむいてしまった。
それから、チャンスがある時はこちらから挨拶をするようになった。
夏が始まろうとしている頃、トイレから事務室に帰る際に先輩とすれ違った。その時に声をかけられた。初めてのことだった。
みたいなことを言われた。1分くらい会話をして、最後に「頑張ってね」って言われた。ありがとうございますって言おうとしたけど、声が詰まって小さくなった。
秋頃、背中まで伸びていた髪を切った。
かなりショートになった。髪の重さがなくなってすっきりしたな、と思いながら階段を昇っていた。
2階と3階の踊り場にいる時、上を見ると彼がいた。作業着姿で、何かのメジャーのようなものを片手に持っていた。
彼も、お疲れ様ですと言った気がする。
階段をまた昇り始めて、Tさんとすれ違う瞬間、私は階段を走って駆け上がっていた。すれ違うのが怖かった。違う。怖い、と思ったのはすれ違った後だった。すれ違う前に抱いた感情はわからない。無意識だった。
その後も、廊下などですれ違う度に声をかけられた。
服装の話や、人事異動の話や、Sさんが元気がないので声をかけてほしいとか、仕事での苦情とか、いろんな話をした。
Tさんに話しかけられる回数は、ひと月で3回はあっただろう。
1年間、ずっとそれだけだった。
一緒に街を歩いたこともない。
ラインのIDも知らない。
携帯電話の番号も交換していない。
お互いの出身地も知らないし、血液型も知らないし、好きな事だってそうだ。
Tさんのことが好きだった。
目を合わせ続けることができないし、話の最中には嫌われないようにニコニコしてるし、稀に一緒に仕事をすることがあると、失敗しないか気が気でない。
でも、Tさんは私に興味がなかった。
2日前のことだ。
昼休憩の時に、Sさんが嬉しそうに話してきた。Tさんに髪型を褒められたと。
髪切った?って聞かれて、そのあと、「似合ってるね」と言われたと。
さらにその後、Sさんの残業時間が多いのを気にして、「無理はするな」と怒られたって。
私は先輩に怒られたことがない。
Sさんはいわゆる小動物系の女子だ。小柄で、柔らかそうな見た目で、笑うと顔がくしゃっとなって、女の私から見ても魅力に溢れた人だと思う。
性格もいい。誰に対しても愛想があって、廊下ですれ違いざまに男性の上司から足の裏で蹴られそうになった時も、その冗談に付き合ってあげていた。
昨日の夕方、帰り際だった。Tさんが私に声をかけた。
「お疲れ様です」と言って、私の近くに来ようとしたので、早歩きで1階まで行った。先輩は、後ろをずっと続いていた。
外に出て、駐輪場の近くまで来たところで、「体調が悪い?」と後ろからTさんの声が聞こえた。
無視して歩いていると、自転車に乗ろうとする私の前に立ち塞がるみたいにして、「苦手なら言ってくれ。もう話しかけないから」だって。
ふざけるなよ。くそ野郎。人の心を踏みにじって、もて遊んで。その気がないなら廊下で声かけるなよ。くず。
一瞬そう思った。
家に帰ると涙があふれてきた。
朝の掃除が終わって、コピー機に用紙を足している時、先輩がまっすぐこっちに歩いてきて、「昨日はごめんね」と謝ってきた。
「もういいです」って返した。
それから何分か経って、トイレに向かう途中で、本当にこれでよかったのか不安になった。
先輩を許したい。でも、許したくない。
25才までに結婚したいと思っている。私には、あと1年半しかない。その貴重な時間を、先輩への片思いに費やしてしまった。
Tさんと付き合いたい。でも、Tさんを許せない。でも、まだ好きだと思う。
涙が止まらない。
普通に文章が上手くない
推敲したのにな
このような異常な考えを持つ女性なんて男の妄想の世界にしか存在しません なりすましはやめてください
これ男女逆にするとすんなり内容入ってくる
始めに断っておく。この日記は、痴漢防止策としての女性専用車両に反対する人や、日本のジェンダーギャップが世界的に大きいことを信じない人や、社会において女は男より優遇さ...
オーケーオーケー、かわいそうランキング優勝は、女さんに決定だ。 おめでとう!! よかったな。
「世の中の理不尽さ」や「不都合な真実」を強調して、それでどうするの?(読書メモ:『ただしさに殺されないために』) https://davitrice.hatenadiary.jp/entry/2022/06/17 上のブログを読んだ...
気持ち悪いと言いつつ、増田に書くほどその手のネタに興味津々なじてんで同類にしか見えないし そのよくわからんブロガー?学者?もやっぱり同類に見えるわ
Tさんは増田さんが髪を切っても何言って来なかったのに、Sさんが髪を切ったら気がついた上かわいいねと言ったことが許せないの? Tさんと話す内容もSさん関連だから悔しいってことか...