2021-03-08

映画秘宝』の記憶(6)

今回は、町山智浩に迫ります

2006年太田出版から出された『オタク・イン・USA』(著:パトリック・マシアス、訳・編:町山智浩)は雑誌映画秘宝』その他の日本メディアにマシアス氏が寄稿した文章を集めた本です。この本の後書きから町山智浩パワハラ体質」を示唆する記述を紹介します。(p268〜269)

引用ここから

でも、トモ(※注:町山智浩のこと)の企画ガイド日本オタク文化を僕が見聞する本『クルージングアニメ・シティ』を作るためにみっちり付き合うようになると、彼は本性を露にしてきた。

「てめーの意見とか、くだらないアメリカンジョークなんか誰も読みたかねーよ!」

「てめーの文章は単調で、生き生きとした描写に欠けてる!それに文体が退屈で、やたらもったいぶってて、ノロノロしてんだよ!」

ある日、トモがとりわけ「退屈でもったいぶって」いると思ったコラムを僕が書いて渡したときなんか、電話中に激怒したトモが受話器をガッシャーン!と叩きつけて切ってしまった(この文章をトモが読んだらまた怒るだろうな)。

これでおしまいだ。その時、僕は思った。僕は彼の紹介で日本雑誌にも書き始めたばかりだったのに、それももう終わってしまった。

アメリカ人友達は「何だそいつは。嫌なやつもいるもんだなあ」と、同情してくれた。サンフランシスコ普通以上に平和的な人間ばかり集まった土地柄だから、トモみたいなキツい態度を取る人間はめったにいない。ラブ&ピース世界なんだ。でも、事はそんなに単純じゃない。その答えは僕の女神観音である彼女が教えてくれた。

「トモとあなた日本的なセンパイとコウハイ関係なのよ。もしも彼があなたのことを何とも思わなかったら、こんなに厳しくしないって」

彼女言葉で急にわかった。僕は日本マンガアニメしかたことがなかった世界に足を踏み入れてしまったのだ。『巨人の星』で星一徹が息子の飛雄馬拷問器具みたいなギプスをつけて徹底的にしごいたり、『あしたのジョー』で丹下のおっちゃんが矢吹丈クロスカウンターを体で教えたりするような世界に。

(中略)

トモ、どうもありがとう。僕の「退屈でもったいぶった」文章日本の読者が読みやすいように手直ししてくれたことに感謝する。でも、そのために本の出版が予定より一年も遅れたことには感謝しないけどね。頼むよ、マジで

引用ここまで=

ユーモアコーティングされてはいますが、

(1)怒鳴りつける、受話器を叩きつける等の具体的な描写

(2)スポ根アニメや「センパイとコウハイ関係」と云う言葉を用いた比喩

(3)一般的米国人の目から見て「異様な行動」と捉えられる様子

といった記述から「既に当時から町山智浩言動アメリカ人の目から見ると立派な『パワハラ』と見なされていたのではないか」と推測されます

それから、後に春日太一などから指摘を受ける事になる「仕事の遅延グセ」も見てとれます

ところで、本書の著者であるパトリック・マシアス氏は、現在も日米両国を股に掛けて精力的に活動を続けています

翻って、町山智浩どうでしょうか。日本人向けの仕事はしていますが、町山智浩が「アメリカ出版から本を出した」と云う話や「アメリカマスメディア寄稿した」と云う話を、寡聞にして聞いた事がありません。町山智浩が渡米してから随分と長い月日が経過しましたが「日本事情に詳しい有識者」としてアメリカマスメディアに居場所を得ることはできなかったのでしょうか。

これは一つの仮説に過ぎませんが、早稲田出身者同士の人脈を活用したり、パワハラ的な言動相手威圧するといった「日本国内ではそれなりに通用する(した)手法」も、アメリカでは通用しなかったのではないでしょうか。

こんな話をご存知でしょうか。

或る日本プロ野球監督日本選手根性を入れる為に拳で殴っていたところ、アメリカから来た助っ人外国人選手に見咎められて、次のように言われたそうです。

「そんな事をするのは止めろ。彼を殴るなら俺も一緒に殴れ。ただし、俺は彼と違ってあんたを殴り返すけどな」と。その後、その監督は『少なくとも』その助っ人外国人選手がいる前では乱暴狼藉を働かなくなったそうです。選手には根性要求するのに、どうやら監督本人には根性が無かったみたいですね。

現在パトリック・マシアス氏は、町山智浩との関係が疎遠になったように見えます。その「理由」の一端が、マシアス氏の著書の後書きから窺い知れるように感じるのは穿ち過ぎでしょうか。

アメリカでは「町山さんの事が好きだから、俺の女の胸を揉んでもいいですよ」と言って媚びてくれるような、物分かりの良いカワイイコウハイを作れなかったのでしょうか。

また気が向いたら、何か書きますね。ヘイル、サタン

  • 町山智浩、高橋ヨシキの彼の元・妻の話については、次を参照して下さい。 吉田豪インタビュー「人間コク宝」吉田豪x町山智浩(※単行本には未収録)、雑誌『BREAK Max』に掲載 前編は2011...

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