2021-02-28

人懐こい猫を保健所に持ち込んだ

耳の先から尻尾の先まで真っ白で、右目の目頭にだけ小さな黒い斑がある猫だった。右は薄い水色、左は黄色オッドアイ

猫のことあんまり知らんから分かんないけど、金玉がついてるように見えたしオスだったんじゃないかな。さくら耳じゃなかったし。でも子猫ではない大きさだった。

この近くに猫を飼ってる家なんて無いし首輪も無いけど、明らかに人馴れした個体だった。人間を見つけると近づいてきて、靴の上で寝転がりながらニャアニャア鳴いた。 歩くと少し後ろを付いてきたけど、こっちが走ると途中で諦めてこちらを見ていた。

それだけなら無視できたのに、足元すり抜けたり自動ドアを抜けたりして建物内に入ってきたから、その度抱えて外に出した。両脇を抱えると薄い肉越しのあばらに手が触れて、めちゃくちゃ軽かった。

終いには食料品を扱っている場所に入ろうとしたから、誰かがどうにかしなくちゃいけなくなった。

「こっちは忙しいから、対処してくれると嬉しいな。ごめんね」

「別のとこ行ってくれたら良いんですけどね」

「猫好きだけど今触れないから」

小さくて古い職場ゆえに、立場とか以前に一番若い自分がどうにかしろっていう無言の圧力があった。こっちだって業務あるんだが??割ける時間は限られる。飼える住居も給金も無い。

ちょっと考えて迷って、その猫を保健所に持ち込んだ。

一応「(地域名) 迷い猫」で検索するも該当なし。保護団体ちょっと調べたけど、まず自宅で保護できないとサポートしてもらえなそうだった。遠くに棄てに行くのは論外。外来種だし家畜だし。

結局、保健所に行き着いた。もしかしたら殺処分以外の可能性もあるかもしれないし……

持ち込んでからはあっという間で、保護した状況をサッと書面に書いて、猫の特徴を書いて、段ボールごと猫を渡して、おしまい

自分にできる最善の選択をしたつもりだけど、しばらく気分は晴れない。あの猫を誑かして最後まで面倒見ずに外に離した奴に腹が立つ。あと対応押し付けておきながら「保健所連れてったの?かわいそうだね~」とか言う奴もムカつく。

万が一心当たりのある人は急いで最寄りの保健所に連絡してほしい。

まあペットを逃してしまうような飼い主のもとに戻ったとして、幸せかはわからんけど。

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