2021-02-28

自分がどのような音に囲まれていたのかを抜き書きしてみる。その11

https://anond.hatelabo.jp/20210223005708

もうここまでくると、「音に囲まれた」ことではなく「情報に囲まれた」ことに近いではないかと思うが、私の中では依然として「音」なので抜き書きができると思う。

ピアノコンクールの待ち時間は、図書館相場が決まっていた。

審査まで待たなければならない。

そうすると、子供たちは、自然と近場の図書館に集まる。

あの図書館は閉館はしていないと思われるが、やはり、小さな図書館であり、その日はコンクールの結果待ちの子供でいっぱいだった。

毎年がこの調子だったらしい。

そこには、禁持ち出しの、最新名曲解説全集があった。

現在は、作曲家名曲解説ライブラリーとして改訂された本である

なぜ改訂されたのかは理由がある。それは、著作権法改訂国連から勧告を受けたため、存命の作曲家に関する記述が認められなくなってしまったのである

悔しいが仕方がない。音楽之友社は、急いで「作曲家名曲解説ライブラリー」として、著名な作曲家だけを厳選することにした。

しかし、まだ最新名曲解説全集がそのまんまの図書館は多かった。

どこの地方都市図書館にもあったらしい。

学校図書館にも多くあった。

そうしたら、どういうわけか、管弦楽曲Ⅳの項を読むことになった。どうしてそんな本を読むことになったのかわからないが、今の音楽家は何をしているのかなという意識が、中学1年ではあったんだろう。

そこには、クセナキスのアホリシス解説があった。

正確には思い出せないが、「この曲を理解するには高校3年から大学初年度の数学の専門知識必要で、ポアソン分布が」と書いてあった。

理系に進もうと思ったのはこの時だったに違いない。たった一冊の本人生が変わってしまったのである

かに本を読み続ける小学生中学生に交じって、私もじっと黙って本を読んでいた。

私の故郷の不気味な薬屋の沈黙というほどではなく、冷房が適度にかかった快適な環境で照明が明るかったことを思い出した。

はいまだにクセナキスのアホリシス生演奏に接したことはない。

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