2021-02-15

友達いなさすぎて文中で人の会話が書けない

俺のぼっち歴は相当なもので、プライベートで遊ぶ関係友達勘定するならばたぶん中学一年生ぐらいの頃に映画を見に行ったのが最後だ。(クラス映画を観に行く話をしてるところに俺が空気を読まずに“自分も行っていいか”と訊ねたことでついていく運びになった。今にして思えば、彼らにとっていい迷惑だった)

大学生の頃同じゼミのやつからマクドナルドに呼び出されたことはあるが、どうだろう……友達だろうか…友達ではないな。

なんなら映画を観に行ったときも、俺は観てすぐ帰ったので(楽しくなかったのではなく、普通に映画を観て満足したらすぐ帰りたくなった)そのあとなんやかんやでそのことを突っつかれ、俺はやるせない気持ちになった。「帰るわ!」と言って、特に引き止められずに「ああそう?じゃあまた」と言われたのだからそりゃ帰るよ。

俺は高校大学友達と呼べる人間が一人も出来ないまま過ごし、わけのわからぬまま人生の一番自由な時期を、イヤホンが耳に刺さったまま一人で過ごした。

サークルは一時期落語研究会に属していたが、裏方だけやろうと思っていたのに字が汚すぎて題目名前を書いた紙すら満足に書けず、あがり症のおかげで「時そば」を、客ではなく先輩の前で練習することすら出来ない始末。(なぜか、“枕”という、噺の前にやる些細な無駄話だけは少しだけ達者に話すことができた。20分ほど)どうしたものかと悩んでいたが、ちょうどそのとき部内の人間関係トラブルが生じ、同級生が一人、先輩が二人やめたところで俺も便乗して辞めた。

俺は完全に一人になった。孤立という自覚さえない一人だった。

暇なときイヤホンで外界の情報遮断してなんかしらの曲を聞きながらキャンパス内を徘徊し、たまに構内を出て無意味に一時間ほど歩き通してみたりした。

これで偏差値の高い大学に通っていたとかなら人と違う視点を持ったがゆえの孤立とか格好がつくのだろうが、普通に偏差値の低い大学に通っていたので、俺はぼっちで、しかバカなだけだった。

どれぐらい偏差値が低い大学かというと、ここを出た某作家が著者略歴にうちの大学ではなく、所属していた他大学サークル名前を書いてしまうぐらい偏差値が低い。

とは言え、何も本当に音楽聞きながら歩くだけの学生生活だったわけではない。たまにラーメン屋巡りとかしてたし、ちょいと小銭があるとき雀荘に立ち寄ったり、また、本当に本当~~~に暇なときは、ネット小説をチョロッッッッッとだけ書いたりしていた。半年に、ほんの六、七行ずつみたいなペースで。

そうしてある日、気付いたことがある。

俺は意外と、少なくとも感想文みたいなレポートを提出して怒られていた同級生よりかは、文というヤツが書けるのでは?と。

それまでは星新一ズッコケ三人組ぐらいしか読んだことが無く、他にはエブリスタでクソみたいな異世界転生系小説を読んであざ笑うというカス以下の習慣しかなかったのだが、それが思いのほか文章力の向上に繋がっていたのだろうか。「こういう文章を書かない」という手本は意外と役に立った。気がする。

ブリスタで小さい賞を取ってアマギフを三千円ぶんぐらいもらったりして調子づいた俺はもうちょっと色々書いてみようと思い、半年に一度ペースで書いていた小説で人と人がどうのこうのするパート差し掛かり、そこを頑張って、ウィットエスプリの利いた小気味良い会話文を作ろうとした。

出来なかった。

どうやっても平面的な、話している人間人格が反映されない、ただの「文」にしかならなかった。読んでいて不気味だった。作品思い入れのない声優が「あのキャラやってみて」と頼まれ、とりあえず声だけ出してみた。みたいな。あるいは同じ作品で共演する声優同士に、台本なしでそのキャラ即興で演じてみてくれ。と頼んだ時の会話のような…

とにかく形容しがたい、薄っぺらさが隠せない会話になってしまう。

要するに、三人称視点の文はてんでダメだった。『楽しそうな会話』が書けない。

反対に、一人称視点だとけっこう書けた。なのでレポート論文はヒョイヒョイ書けた。あれは一人称視点で書く文章からだ。だが小説は別だ。いくら一人称でも話の途中で主人公が人と会話をしなくてはならないときがある。これが本当にできない。

相手がどういう感情主人公に話しかけているかを考え、主人公の受け答えでどう気持ちが動いて、気持ちに応じてどう対応が変わるかを考えてセリフを作る。すると、何を考えているかわかっている俺から見ればそれに気付かず喋っている主人公が妙にマヌケに思えてきて、そうなるとそのマヌケ一人称視点で綴られている他の文もマヌケな文に見えてくる。そしてどっと気が萎える。

なんのことはない。俺が普段人の感情機微について推し量るような機会とほとんど出くわさず、機会があっても推し量る能力がないマヌケであり、そのマヌケぶりが主人公に伝染していただけのことだった。

好機を逃さず利用することを中国故事で『奇貨居くべし』と言うらしいが、機会を利用する能力を養う方法まで故事は面倒を見てくれないらしい。(きかい。と打とうとして“きかお”とタイポしたら予測変換に出てきたので、意味を調べた後使いたくなった)

とはいえ書かないと続きに進めないので、そこら辺のコミュニケーションパートはなあなあに、サッと流して次に進むのだった。

いろいろな作家の言では、脳内キャラクター像をしっかり組めばストーリー舞台範疇で、頭の中で勝手に動いてくれるそうだが、俺の脳内に居るキャラクター達は揃いも揃ってマネキンばかりだ。俺の思い通りのポーズはとるが、決して動き出さない。

仕方なくマネキンポーズを手作業ちょっとずつズラして、それを繰り返したもの描写して連続した動きを表現しようと試みるも、そうして出来上がったものは生きた人間の動きとは言い難い、不自然ものに仕上がる。どれだけ細かく刻んだストップモーションアニメも、自立して動く現実映像のように滑らかにはなってくれないのと同じだ。どうしてもギクシャクする。

やっぱり、友達いないとダメかなあ。友達がいたら創作活動なんて手出してないと思うんだけど。

  • 現代での日常的な会話が必ずしも必要で無いような物語を書けばいいんじゃなかろうか。 純文学とかSFとか、極端かもしれないが、評価されている小説なんかも会話がリアリティに溢れ...

  • 他人との会話の描写がなくても面白い小説はあると思う

  • ざっと読んだ印象だが、増田は伊坂幸太郎パクればいいのと違うか。 会話文なんて大体どの作家も微妙だけど、伊坂のは大好き。

  • 途中で自分で声優の話してるからうすうす気づいてるんだろうけど、セリフ音読してみろ とてもいえないような「高速増殖炉もんじゅ」とか「買った」ですむとこを「購入」みたいな硬...

  • 関係ないよ。友達がいて会話を積み重ねた経験がないと友達との会話を創作できないとしたら、 殺人を犯した経験ないとリアリティのある殺人犯を創造できない、てなことになる。 チミ...

    • 殺人を犯した経験がある人なんて読者にも殆どいないんだから 未経験者が何となくリアリティがあると感じられる程度のリアリティさえあれば読者も納得するけど 友達と会話を積み重ね...

    • 漫画のおかしな口調や言い回しを多用されても困るんだよなあ 地域のローカル口調を経験から学んで欲しい

  • キャバクラ、コン喫、アイドルの接触イベントがおすすめ。金がかかるのでこの中だとコン喫がマシかも。昔会話リハビリにコン喫使ったけど楽しかった。男性店員のコン喫とか過疎っ...

  • なぜ会話能力ゼロの赤ん坊が次第に言葉を話せるようになるか それは他人の会話を聞いてるからだろ テレビやラジオやネットを使え、一人でも経験積めるはずだ あとは最近Discordみたい...

  • 人類が滅亡して自分一人だけになった設定をかけば?

  • 低ラン大卒の設定はいらなかった

  • 人が会話する場面は聞いたことがあるんじゃないのかな?それを思い出しながら書き写すみたいに書いてもいいんじゃないかな。

  • 人が会話する場面は聞いたことがあるんじゃないのかな?それを思い出しながら書き写すみたいに書いてもいいんじゃないかな。

  • 物書きになりたいなら、写経することだ。 この作家良いなって思う人の文章をひたすら書き写せ。 会話それ自体には無限の展開があるものの、会話の構文自体はそれほど多くないので、...

  • 森見登美彦やればええやん

  • それそのまんまでいいんでないの?

  • うまい

  • 小説読みまくればいいと思う

  • いうてリアルな会話を売りにしてる作品ってそんなにないのではないか? オタク向けとか絶対リアルじゃありえない気持ち悪いオタクの一人芝居みたいな会話ばかりだし

  • 会話って何気ない文章だけど記述高いんだよなあ 文字と文字の間隔とか、視覚的な要素も重要

  • みんながみんな同じような文章を書かなくても良いんだよ 何なら口語でも良い 綺麗な会話なんて見飽きてる

  • お前が他人に興味がないから、人が書けないんだよ。声優を侮っているように、他の人間も嘲っているんだろう。 友人がいないことではなく、おまえが自分以外に興味なくて、他人に注...

  • 火星の人は前半完全に一人だが面白かったぞ

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