最近、NFTで表現するアート作品に高額の値段がつき流通している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c65eeea93160548dcfaf75c9b17f84251f22f7b
"420イーサリアムで取引されたノン・ファンジブル・トークン(NFT)を使ったこの作品は、「ハッシュマスク(Hashmask)」と呼ばれている。取引額は3日の時点で約65万ドル(約6900万円)に相当する。"
NFTには価値がないと考える理屈としては簡単に複製が可能であるという主張がある。しかし、NFTをイーサリアムのような一種のワールドワイドなタイムスタンプとしての特徴を持つ、パブリックなブロックチェーンで取り扱えば”権利”を表現することが出来るため、どんなに画像自体は複製できても権利は複製することはできない。こう考えれば、NFTの価値を担保できるので物理的アート作品同様に扱うことも出来るだろう。
物理的アートと大きく異なる点は、現在のNFTの流通は非常に透明性が高い点である。AさんからBさんへ権利を移転する取引はすべてパブリックなブロックチェーンで明らかになってしまう。従来の物理的アートには、国の監視を超えた汚いお金、資産のロンダリングに使える利便性があり、この点、NFTは物理的アートに劣ると言える。
また、NFTはハードフォークによって権利が分裂する点に注意したい。ビットコインやイーサリアムのようなパブリックなブロックチェーンは常にハードフォークと呼ばれる台帳の分裂の可能性を持っている。もし、ハードフォークが発生すれば、パブリックなブロックチェーン上で流通するNFTも分裂を免れない。分裂した場合どちらをオリジナルとして認定するのかという問題がある。権利者が存命であり、集権的考え方を取り入れれば権利者が認めた方がオリジナルということになるが、もし、どちらもオリジナルであるという事になると権利が二つに分割された事になり話が厄介になる。