2021-02-06

anond:20210205094502

抗性欲薬は既にあって、それはポルノオナホと呼ばれている。

一部の男性の性欲が日常生活に支障をきたすような苦しみであり、

一部の女性PMS生理痛に苦しむのと対応するような存在であるなら、

どうして女性PMS生理痛を緩和させる低用量ピルのような

ホルモン関係の症状を緩和させる薬が男性向けに出ないの?

性欲は定期的な射精によって解消することが可能であり、心地よく射精に至るための文化的装置ポルノオナホである

それは医薬品ではないが、自分ではコントロールできない強い生理的欲求を解消するという広い意味での医療に類する役割を担っている。

私は性欲が比較的薄く、オナニーの頻度も低いが、ある程度の期間オナニーをせずにいるとある日朝起きたらパンツ夢精でべっとり、ということはざらにある。

もちろんこれはPMSに比べれば苦痛の程度は遥かに小さいだろう。精液は血液と違って洗濯すれば綺麗に落ちるわけだし。だが、「勝手身体から変なものが出てくる」という意味では、朝起きたらパンツが経血で真っ赤だったというのと同じことだ。どちらも自由意志コントロールできるものではなく、ただただ不愉快経験であることには違いない。

女性生理と違うのは、男性射精は、その過程快感を感じることができるということだ。したがって、男性の性欲は「定期的に訪れる不随意生理現象」であると同時に、「定期的に快楽の機会を提供するもの」にもなっている。これが男性の性欲が医学的に問題視されにくい理由である。強烈な空腹を美食で満たすことができるように、強烈な性欲は自慰性交で満たすことができる。

人間社会は、食欲を薬によって解消可能生理的欲求ではなく「快楽を感じる機会」と捉えることによって美食文化を発達させてきた。ゆえに「食欲を抑える薬」はない。性欲も同じで、男性の性欲は薬によってではなくポルノ文化を発達させることによって解消することが目指されてきた。ゆえに「性欲を抑える薬」はない。

もちろん性依存症というのはあるので、医学的な介入が一切不要というわけではない。過食症に対する医学的介入が必要なのと同じだ。だが、適度の性欲は、適度の食欲と同様に「そういうもの」だと捉えられ、「お腹が減ったなら美味しいものを食べよう」というのと同じように「性欲が溜まったなら良いポルノを見よう(風俗に行こう)」というやり方で解消するものだとされてきた。

ポルノに対する規制にやたらと反発する男性は、ある意味では、薬やレストランを奪われようとしているようなものだ。そう考えれば、彼らの執拗抵抗理解できるだろう。

繰り返すように、月経による苦痛矮小化する意図はないし、男性の性欲による苦痛生理による苦痛と同程度とも思わない。だが、それは「定期的に訪れる、自分ではコントロール不能生理現象」であるという点では同じなのだ普通風邪エボラ出血熱がどちらも「ウイルスによって引き起こされる感染症」という点では同列であるように。

風邪エボラはどちらも感染症だと広く認識されている。「エボラ病気だけど、風邪病気じゃない」「エボラ患者はこんなに苦しんでいるのに、症状が遥かに軽い風邪患者と一緒にしないでほしい」なんて言う人はいない。でも、「PMS自分意志ではコントロールできない生理現象だけど、男性の性欲はそうじゃない」という言説はありふれているし、男女を問わず多くの人が漠然とそう信じ込んでいる。それは間違いだ。男性の性欲も、女性月経と同じく抗いがたい生理現象なのだ。その過程快楽を生じさせるか否かという点が違うけれど。

  • 抗い難い生理現象とか山ほどあるわ 呼吸も睡眠もな 一方の性にだけ見られる繁殖に関わる生理現象、でええやんけ 不要な抽象化一般化のせいで逆にわからなくなるクソな例

  • 全体的には正論に見えるが、 「普通の風邪」なら病気ではないと切り捨てる人ってのをそんな「ありえないものの象徴」と扱ってしまって良いのだろうか

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