■もやっとするその瞬間。
我々の日常にはもやっとする瞬間がある。
それは日々の中、電車に乗るようにバスに乗るように、クラゲに乗るように。
ある日にはそこからもうすこし足を伸ばすときもあるだろう。
それはまるで春の日の冬の雨のように寒い。
だけれどもそのときにはもう雨はやんでいる。
だからといってそういう日には寒さが厳しいというわけでもない。
そんな日にはなんだかモヤッとする。
もしもコントラバスが弾けたらなら。
思いの全てのバスにして。
キミに伝えることだろう。
だけど、バスにはクラゲしか無い。
クラゲには歌える腕がない。
もやっとする。
もう少しすれば手が届く。
峠の最後の最後、急坂を迎える。
それはプロであれば鼻歌交じりに登る道。
ベッティーニなら軽くいなせる登道。
僕たちは
びゅうーあーびゅうーあーと異音を響かせながら登る。
もやっとする。
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