2021-01-17

ライナスの毛布

 小さい頃からピンクの大きなタオルケットが好きだった。くたくたに柔らかくて、天日干しするとお日様の匂いがするやつ。滑るようになめらかでやわらかくて、すっぽりと身体を覆える。眠る時以外も暇があれば引きずってた。まあ多くの人にこういう思い出はあると思う。タオルケットじゃなくてぬいぐるみでもなんでも。

 けど、大人になってもタオルケットを使っている人は少ないかもしれない。タオルケットがあるとよく眠れる。さすがにサイズが違うし擦り切れるから、2〜3年に一度は買い替えてるけど。幼児の時は好きなキャラクターの描いてある同じタオルケットじゃないと泣きわめいたし、洗濯したら手触りがごわごわになるから数日不機嫌だった。

 タオルケットが無くても普通に眠れるが、眠りの質がもう全然違う。精神的に不安定だった受験就活の頃も、お気に入りタオルケットに包まれれば五分もせずに寝られた。

 今のタオルケットは白い花の描かれたピンク色。重要なのは手触りなのに、なんでか毎回ピンクを選んでしまう。好きな色は寒色系なので、部屋の中でタオルケットだけインテリアから浮いている。

 この歳になってライナスの毛布はまずいかなあと少し思うところはあるが、まあ精神安定剤になってるからいか

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