わかるひとにはわかる数字。
2万円賭けて最低リターンを期待できる確率が約6割。
他にほしいものがないひとにとっての2万円というのはさして大きな金額ではないだろうが、
財布の都合で買いたいものをあれこれとあきらめている底辺にとって2万円は大きい。
その6割を当てたとしても多少のストレスからは解放されるだろうが、おそらく私の幸福度は3%も上昇しないだろう。
対して残りの4割を引いてしまう、つまりほぼ何のリターンも得られなかったときには以前より多くのストレスを抱え込み、幸福度は5%以上低下するに違いない。
リターンが得られるまで賭け金を積むのもいいが、仮に3万4万と積んでそれが得られたとしても2万円で得たときよりも上昇する幸福度は下る。
つまり私がそこに大金をつぎ込むことは合理的な行動ではないと結論づけることができる。
にも関わらず、私はそれでもなおそこに大金をつぎ込みたいという欲望を抑えきれずにいる。
本当に満足するリターンを得たければ2万円など無意味、元手は10万円以上用意すべきだという人もいるだろう。
それは一面の真理ではあるが、それだけの余剰資金があるならばあの高すぎると評判のAirPods Maxを買ったほうが私はまだ幸せになれるだろう。
ギャンブルはきらいだ。それが分の悪い賭け事であればなおさらだ。
このような不愉快な選択を毎度突きつけてくるあれとはもう縁を切りたい。
4年間以上のサンクコストなどきれいサッパリ忘れてしまいたい。
それはおまえを幸せにしない。
私は幸せになりたい。