2020-12-27

ベロンベロンに酔った女の子

うちの大学は宅通率が低い。大学から半径2km圏内にみんな住んでた。

当時僕の住んでいたアパートは、1K、6畳3万円/月。コタツソファーマットレスがあるほか家具がなく、ガランとして集まりやすい部屋だった。僕は酒と料理が第二の趣味みたいなもんだったし、飲み会のたびに酒の備蓄が増え、それが更なる呼び水になり、しょっちゅう飲み会会場になってた。

ある年の冬も、冬休み開始から帰省までの数日で、サークルメンバーで鍋を作り、終電なんて概念もないか夜遅くまで酒を飲んだ。

夕方からまり始めて、深夜にはグダグダになり、日付が変わったタイミングで片付けをした。いつもだいたいそれでみんな帰るのだけれど、一番近所に住んでいる女の後輩だけうちに残った。

の子アパートは、50メートルくらいの超近所。隣の棟に住む友人の次に近所。方面的にも帰る奴なら誰でも送れたはずだけど酔うと言動が若干(?)面倒臭くなる子で、「もう少し飲みたい」と渋って帰ろうとしなかった。

の子普段そこまで仲良くないし、何より異性だし、帰って欲しい気もしていたけれど、その日僕は料理ばかりしてあまり酒を飲んでなく、飲み直したい気もして、まぁ良いかと思って一緒に飲むことにした。

んで、その子に何を飲みたいか聞いてウィスキーアマレットカクテルを作った。飲んで食べてして満腹気味だろうから度数こそ多少高めでもデザート的な感覚で。

の子が見聞した別サークルでの恋愛談義を肴に3次会よりもグダグダな感じで酒を飲み始めた。

後輩は初めてカクテルを舐めているくらいだったが、氷がほどよく溶けて薄まったのか、トータルの度数を忘れ2杯ほど飲んでいた。ペース配分のつもりで作ったロングもすぐ飲み干し、そうこうしているうちに午前2時。後輩は呂律が回らなくなり、目もトローンとして、だらしなく脱力しながら、それでも飲んでいた。

良い加減疲れてきて、解散提案したが、後輩は寒いからと帰るのを拒否。送ることを提案したり、コンビニに寄ってアイス買って帰ることを提案したりと適当に帰ることを促しながら、有無を言わさぬ行動のつもりでコタツを壁際に寄せ、ソファーマットレスを展開し、押し入れから布団を出して敷いた。

すかさず酔った後輩がモゾモゾと布団に入っていったので説得を断念した。

トイレに行って寝る前の用を済まして部屋に戻ると、先に布団に潜り込んでいる後輩が、トロンとした目で

セックスする?」

と訊いてきた。

茶髪、ボブ、赤い眼鏡、明らかな地雷臭。

酒で鈍った理性でも「ヤバいから手を出すな」と言っていた。

同時に!

さっき布団を出した押し入れに収納された衣装ケースにゴム製品しまってあることもハッキリ意識しており、取り出すには敷いたばかりかつ後輩が潜っている布団を押し避けて押し入れを開けなければならない。布団の敷き場所選択ミスを悔やみつつ、飲み会部屋ゆえの目につかない収納にした自分を恨みつつ、他に予備を収納していないことを嘆きつつ、それゆえに手を出さな自分確信し、かつ、中学時代に読んだ『閃光のハサウェイ』のなかで出撃前夜に美女と一夜を過ごしならセックスしなかったことを自己分析していたハサウェイ・ノアのことを思い出していた。

「しないよ、寝よう」

と言って、電気を豆電にして、寝るときにバックルが邪魔になるズボンからベルトを抜き、フードが邪魔になる着古したパーカーを脱ぎ、最大限余裕ぶろうとしても上擦った声を恥じながら後輩が潜っている布団に入った。

2人には狭い布団のなかで、寝間着に着替えなかったから寒くて肌を寄せたく、心地よい位置模索した。途中何度も迷ったけれど、息を潜めているうちに、後輩の呼吸が寝息に変わった。

翌朝、と言うか起きたら、昼だった。

後輩が起きてトイレの行き、その隙に布団をさっと畳み、マットレスソファー形状に戻し、布団をしまうべく押し入れを開け、……衣装ケースから回収すべきブツを回収し、戻ってきた後輩にキレられるかと思ったけれど何も言われず抱きつかれ、理性のダム決壊した。

なんか、この季節になると思い出すんだよね。

  • 甘酸っぱい

    • 続きも生々しい描写も交えて読みたい。

      • ありがとう 夕方までゴム製品あるだけ全部使って盛り上がってたけれど、後輩とはこの日一度きりで、付き合わなかった。 期待に応えられなくてごめん。

        • あるだけ全部ってすごいね! 2個や3個よりもっとってこと? 僕はもう1日に3回以上は出せないよ!

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