2020-12-06

もののけ姫」と鬼の伝承

注意

これはあくま自分勝手な推察であり、妄想である。ただし、元ネタになった書籍存在する。

最初結論

もののけ姫」のたたら集団は鬼を表している。あそこで働いている人たちはすべて鬼なのだ

鬼=鍛冶師?

「鬼に金棒」という諺は聞いたことがあるだろう。なぜ、鬼が金棒を持っているのだろうか。

あるいは、鬼の姿について。鬼は肌が赤く、上半身がはだけていて、しばしば隻眼の姿で描かれている。なぜか?

これは、鉄を打つ鍛冶師を表しているのだ。

製鉄の際、鍛冶師は高熱を帯びた鉄を打つため、身体が赤く灼けてしまう。

また、光る鉄を見つめるため、片目が潰れてしまうこともあるという。

両者にはそうした共通点がある。

製鉄技術権力者

では、なぜ鍛冶師が鬼として表されるのか?そこには技術者と権力者関係表現されているのだ。

時の権力者にとって、製鉄の技術は喉から手が出るほど欲しい技術だった。それゆえ、鍛冶師は必要人材技術者だった。

しかし、権力者が欲しいのは技術だけであって、技術自体はむしろ厄介な存在だ。自分たちが欲しいものをもってはいるがゆえに、彼らにうかつに手を出せない。

そして、一番の権力者は誰か。「もののけ姫」では「お上」とだけ呼ばれているが、もちろん天皇のことだ。

そこで、天皇を奉る神社は鍛冶師を「人ならざる者」であるとして、鬼の伝承を広めたのだ。

もののけ姫」での描写

上述のことを頭に入れた上で、もののけ姫を見てみよう。

言うまでもなく、たたら集団はもちろん鉄を打つ者たちの集団である

そして、そこで働く者たちの一部に病に侵された者たち(障碍者?)がいる。あの時代障碍者などは厄介者扱いだろう。そんな者たちの居場所は、真っ当な場所にはないはずだ。

一方、ジコ坊は度々「お上」という言葉を口にする。上述したように、これは権力者天皇のことだ。

もう一度結論

鬼の伝承天皇普通の人の一番エライ人であり、鬼=人ならざる人という対立構造となっているのだ。

もののけ姫」にはそのような構造が隠されているのだ。

もちろん、宮崎自身は上述のようなことは考えていないだろう。だが、鬼の伝承を頭に入れて「もののけ姫」を見ると、またちょっと違った見方もできるのだ。

参考文献

どこかで鬼の話ー鬼の本をよみとく 奥田継夫

  • ここから論を展開する導入じゃないんか

  • わしの知る大江山の鬼に片目はおらんかったと思うのじゃが、ヌシのいう隻眼の鬼とやらは何処の住まいじゃ?

    • その辺は参考文献の受け売りなので、詳しくは知らない。

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