中1の頃、斜向かいの家で外飼いしてた犬が
飼い主に虐待されてて見てられなかった。
全然散歩とか行ってなくて、一年中庇も塀もないような玄関横の道路沿いに繋がれて
穴が開いた犬小屋の周りはフンだらけで臭かった。
時々おじさんが酔って帰ってくると蹴飛ばしてて、ギャンギャン鳴いてたし
洗ってももらえてなくて、いつも汚くて・・・。
今だったら絶対虐待で通報できるレベルだと思うが、当時はそういう通報の仕方とか知らなかった。
ある時、夜の9時頃に酷く泣いてたから窓からコソッと見てみたら
おばさんが棒でビシバシ叩いてて、もう見てられなくて母にどうにかできないのかって訴えたけど
あそこはややこしい家だから関わらない方がいいって言われて
でももう本当に見てられなくて8歳年上の兄に泣きながら相談した。
そして雨の日の夜中にそこの家の電気が消えるのを待って、こっそり首輪を外してきた。
予想通り犬は私たちについてきたけど、ちょっと離れたところに止めておいた兄の車に乗せて
遠くの公園で、雨の中で身体を洗ってあげて(私はほとんど傘を持つ係だったけど)
そのあと、兄は事前に頼んでいたらしい彼女(後の兄嫁)の家に連れて行った。
そこの家は犬大好きで多頭飼育してて、1匹増えても変わらないからって。
その日はそのまま家に帰って、たぶん両親も分かってたと思うけど黙っててくれた。
翌日、斜向かいの家では必死で犬を探してたけど、逃げたと思ったみたいですぐ諦めてた。
なんとなくそうした方が、すっぽ抜けて逃げたと思いそうだったから。
計画が思いのほかうまくいったのは驚いたけど、心の底からホッとした。
そしてその後は時々兄に連れられて彼女の家に一緒に犬を見に行けたのが嬉しかった。
犬は名前で呼ばれてるところを聞いた事が無かったが、彼女の家ではサチと名付けられていた。
サチはみるみる元気になって、犬らしいやんちゃなところも見せて
お座りやお手なんかも覚えてた。
サチ「ありがとう」
エサ代も病院代も払わず糞犬を押し付けたんだから兄嫁には親切に優しく美味しいもの食べさせたりせなあかんぞ