https://jp.reuters.com/article/idJP2020110601002546
について、あまりにも恣意的だなと思ったので今の現場の話をちょっと聞いてほしいと思った地方公務員増田です。
タイトルはセンセーショナルに”ゴミ袋”を全面に出してるけど、弁護士会の主張は黒染めスプレーの方ですよね。
以下、ブコメを引用させていただきつつ、上の記事では足りない現場の雰囲気を知ってもらった上で判断してもらえると幸いです。
記事で3月となっていることから卒業式での頭髪指導の話だと考えられます。
”卒業式限定で”このような方法をとっている学校は多いと思います。
という意見もありましたので、最近の一般的だと思われる頭髪指導の前提を説明します。
大前提として、”頭髪を加工してはいけない”という校則があります。
加工してはいけないというのが大前提ですので、地毛は基本スルーします。
(このご時勢無理できんでしょ、やってる学校もあるみたいだけど…)
(髪の毛ぐらい自由にしたらええやん、という意見があると思いますが、校則を変えるには色んな手続きがあって、まぁ校風がどうのこうのとか、割れ窓理論も実際にあると思うしで、なかなか大変なのです。。。ちなみに私も「一回自由にしてみたらええやん」派です。)
なので、教員は校則をもとに指導を行うのですが、だいたいこんな流れだと思います。
ここで、髪がもともと明るいですよーという話を保護者から聞きます。
うちは地毛申請の紙を書いたりはしてないですね。相談に行くこと自体が人権侵害だと言われてしまうと・・・ですが、本当に気をつけて柔らかく対応していますよ。もちろん、ここで聞いた話はデータに残しておいて教員間で共有して今後の指導に活かします。
まずは事情を聞きます。実際に多いのは、「長期休暇に染めて、黒染めしたが落ちてきた」とかですね。その上で、いつまでに染め直すかという相談をします。
長期休暇明けが一番変化があるときなので、一斉に頭髪を確認します。長期休暇中に触って、それがきれいにもとに戻ってれば良いのですが、不十分なためもう一回やろうかという話になることもありますね。その場合も、一度努力してきているのですぐにはやり直させず時期を相談してということが多いと思います。基本は”話を聞く”なので。
これが問題になっている部分ですね。
前提として3年生は、卒業式前になると受験のために自由登校となり学校にきていません。なので、上で述べた頭髪指導を行っていない、いわば長期休暇と同じ状態になっているんですよね。受験が続いている生徒はそういうことは無いのですが、進路が決まった生徒は長い休みなので髪の毛をいじります。
そして、久しぶりの登校となる予行のときに髪の毛明るいね、式には直しておいてね、その状態じゃ式には出れないよという話をするわけです。(今は触っていなくても、当日にやってくる子もいると思われるので全体にそういう話をします。)
そして迎える卒業式当日。「怒られてもいい!自己表現したい!」と思って髪の毛をいじってくる子、「なんとか自分でやったけど・・・」と髪の毛がまだらになっている子、「どうせ先生がやってくれるから」と予行のまま明るい髪で来る子。この子達を「約束通り式には出せないよ」と言って、出させませんか?
『ごみ袋かぶせて黒染めスプレー』は卒業式だけの苦肉の策なんです。
実際、やってる現場に立ち会ったこともありますが、意外に和やかな雰囲気で(3年間の付き合いがあるからだと思います)、なんとも言えない複雑な気持ちになると担当した教員は言っていました。
ってかごみ袋かぶせてってのは自分の子どもの髪切るときにやるでしょ。
何人いるか分からない生徒対応のために、ちゃんとしたケープ買うお金がどこにあるのか・・・
(ちなみにごみ袋にハサミで切り目を入れて頭を出すスタイルですね)
私もそう思います。
でもなかなか変えられないんですよね。。。
ただ、昔よりはちゃんと子どもたちの話を聞くようになったのが変化かなと思っています。
このご時勢、なんでも体罰・SNS行きなのでまずは話を聞いてっていうのはほとんどの学校で徹底されてきていると思いますよ。
それでまた指導にかかる時間が増えるのですが、こういう職業を選んだので子どもたちのためになることはいくら時間をかけても良いと思っていますが、その他のいらない仕事が多すぎて大変しんどくなっています。
こういう指導をやめてしまえば簡単なんですが、子どもの心の変化ってまずは見た目に現れることが多いので、なくなってしまえばそういう変化があった子に話を聞く機会がなくなってしまうのではという危惧はありますね。(警察さんの職務質問も実はこれだったり?)
我々もいろいろ考え悩みながらがんばってるので、あまり罵倒しないで・・・
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/jp.reuters.com/article/idJP2020110601002546