2020-10-18

焼きそばがふにゃふにゃになった

三分過ぎ去ってしまったせいだ。

思えば人間焼きそばの都合で三分を待つという姿勢が良くない。

焼きそば人間の態度に合わせて変化すべきだ。

そう思った私は焼きそばを家の地下実験室の加速器の中心に入れて、ある実験を行おうとした。

焼きそば周辺の重力が増せば良いのだ。

そうすれば焼きそば周辺の時間は遅くなり、こちらがコーヒーブレイクゆっくりとったあとでも十分に間に合うではないか

加速器に入れた焼きそば重力を増大させ、ブーンという音が室内に響き渡る。

コーヒーが美味いなあ、と益体もないセリフつぶやく私。

こんな私の思いをよそに加速器から出てきた焼きそばグッチグッチャにつぶれていた。

「なぜだ!」

地下研究室に苦悩が響き渡る。

ちょっとかっこいいかもしれないとすら思う。

前人未到の分野に挑む時人は苦悩するのだ。

そう、売れない検索エンジンのようにだ。

時間後、考え方を変えた私は焼きそばを加速してみることにした。

光の速さに近づいた焼きそば時間は次第にゼロに近づくはずだ。

この実験面白かった。

真空の管の中を残像を残しながら焼きそばがフル回転する。

こんなに凄まじい景色を私は見たことがなかった。

UFOが空を舞っている。新兵器を開発した思いだった。

もちろん焼きそばは食べられなくなった。

焼きそばは光の速さに達することなく、管の中にこびりついた。

しかし私の脳裏に一抹の奇跡が思い浮かんだ。

――そうして誕生したのがスパゲッティ化現である

  • 麺に必要量の水をいれて、レンチンすると出来上がり。 水はほとんど麺に吸われて、それ以上は放置しても伸びない。 みたいなインスタント食品を食べたい。 カップ飯の麺バージョ...

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