三分過ぎ去ってしまったせいだ。
思えば人間が焼きそばの都合で三分を待つという姿勢が良くない。
そう思った私は焼きそばを家の地下実験室の加速器の中心に入れて、ある実験を行おうとした。
そうすれば焼きそば周辺の時間は遅くなり、こちらがコーヒーブレイクをゆっくりとったあとでも十分に間に合うではないか。
加速器に入れた焼きそばは重力を増大させ、ブーンという音が室内に響き渡る。
こんな私の思いをよそに加速器から出てきた焼きそばはグッチャグッチャにつぶれていた。
「なぜだ!」
地下研究室に苦悩が響き渡る。
前人未到の分野に挑む時人は苦悩するのだ。
そう、売れない検索エンジンのようにだ。
数時間後、考え方を変えた私は焼きそばを加速してみることにした。
もちろん焼きそばは食べられなくなった。
麺に必要量の水をいれて、レンチンすると出来上がり。 水はほとんど麺に吸われて、それ以上は放置しても伸びない。 みたいなインスタント食品を食べたい。 カップ飯の麺バージョ...