二次創作物の判例が出たり、現パロ学パロ女体化の増田が見えたりしたので、このへんの私の感覚を書き散らさせて。
同人誌(漫画・小説ほか)二次創作における「キャラクター」って、突き詰めればリアクション集だと思ってるのですよ。抽象が「キャラクター」という概念なら、具体は「リアクション」。
学園パロディや現代パロディは特に服装を置換してしまうし、小説なら顔立ちは一目瞭然ってわけにはいかない。そういう意味では、原作の服も顔さえも、意外と必須ではないんですよね。名前は元の形が残ったほうがわかりやすいけど、アレンジ名つけちゃうことすらありますし。カタカナ名のキャラを無理やり和名にするとかね。
Aというキャラクターをあるシチュエーションに落とし込むと、どう反応するか? 二次創作中のその反応が、原作から醸成された「キャラクター」の共通イメージから離れていなければ、二次創作として十分成立するように思える。
だから、二次創作においては、極端なシチュエーションのほうがぶっちゃけ簡単なんですよねえ。キャラクターごとの反応がイメージしやすいし、共通イメージとの(ロジック的な)距離もひらきやすいから、いわゆる「解釈違い」案件とも距離があけやすかったりもするし。
学園パロや現代パロ、女体化などが延々と流行るのは、それがリアクションを取らせる上で簡単だから。閉じ込めてみた系とかも同じ構造だと思いますよ。
と、このように、少なくとも二次創作で扱う「キャラクター」とは、すなわちリアクションのコードだと私は思っています、という一意見でした。
傍証として、ノベル系ゲームの選択肢システムをあげておきます。あれは、プレイヤーの行動に対して、キャラクターの反応を変えることによって、キャラクターの反応コレクションとして機能しているんですよね。特定のシチュエーションにおける微差へのリアクションが豊かであることが、キャラクターを細かく立体的にすることに寄与する、というわけで、こと人格を描きたい恋愛ものとの相性が良いのだなと思います。
【追記】
>「行動様式の束」って言い方のほうが好き
やはり私個人としては「同人活動的二次創作においては『反応』様式」という言葉のほうがしっくりきます。能動的行動を含む場合、それはオリジナリティ成分の比重が高いと感じるためです。そして、一次創作でやるなら「リアクション集」では足りないんです。
いわゆる同人誌一冊全体を眺めた場合、設定流用という意味での二次成分と、アイデアの発露としてのオリジナリティ成分は混ざり合っていて、ある程度グラデーションを成すと思います(そもそも、作中において能動的行動と受動的反応を峻別することは困難です)。
一方で、例えば与えられたシチュエーション(例・学園、現代)の枠組みそのものを破壊するようなレベルの能動的行動は、学園パロや現代パロを描く二次創作界隈では通常要求されません。言い換えれば、「所詮は反応」でおさまるレベルの簡易な反応様式の描写であっても、二次創作の裾野においては十分主流たりえると思います。
トラバの「関数みたいだな」を受けて式に例えれば、シチュエーション×キャラの計算結果を描写する、と言い換えもできます。そこには
が並走しているため、シチュエーション部に代入するのは手垢のついたもので構わない、むしろ式がシンプルで理解しやすくて良いとさえ言えるわけですね。
また、複数のブコメで「キャラが立つ」という表現が見受けられたので、さらに参考として、公式二次創作物における「キャラ立ち」特化作品『おそ松さん』から、
『おそ松さん』EDテーマ曲 「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」楽曲解説
https://togetter.com/li/913575
を参考に挙げます。
このまとめ内に
というくだりがあります(その方法論も面白いんですが、それはまとめ内で読んでください)。この楽曲は、ミクロの「キャラ」が実質的に口調(声や芝居を含む)であり、マクロの「キャラ」が思考・行動様式であることが端的に現れている事例だと考えてます。
さらに関連補足として、初音ミクというキャラクターも考えると面白いですよね。彼女は自身の「キャラクター」としてある種の〈空-くう、empty〉を獲得していると思いますが、その〈空〉っぷりは、(私から見れば)リアクションのコード=反応様式の束がコンセンサスを獲得できないことから来ているように思えます。
関数みたいだな
キャラクターは個別に名称が振られているという点で、「関数」より「定理」に近い気がする。三平方の定理とかそういう名称ね。 すると、物語自体は定理を用いた「補題」や「命題」...
名称のある関数があるし、名称のない定理もある。「このキャラクターは成立するだろうか… なるほど成立した」って議論することも少ないと思うので、定理と捉えるのはシックリこな...
漫画アニメだけじゃなくてお笑い芸人やドラマ俳優なんかでもそうなんだろうけど、キャラクター利用を突き詰めると「ミーム化したセリフを言わせとけばいいんだろ」になるから冷め...
characterってのはもともとは「人格」って意味だ。 日本語においては「架空の物語=フィクションであるストーリーのなかの配役(主人公だったり脇役Aだったり)」って意味で 主につか...
ようするに人口無脳では?
よくわかんないけど、「エッチなのはだめです!」とか言いながらアンアン言っちゃうのがフェミニストというキャラクターってこと?
そういうキャラクター作成論、空虚で魅力のない表現生み出しがちだから、結局は昔ながらの「人間が描けている」に立ち戻ったほうがいいと思うわ。 一回増田みたいな立ち位置も経由...
入力に対する出力のことだよな。 もう関数って言ってもよさそう
それなら人間だって複雑な関数じゃん
そういう話でしょ
追記の主張も面白いね。 一次創作には能動的行動が要求され 二次創作には受動的行動が要求される ってことだね? 双方を含む一次創作も二次創作もあっていいしあるんだけど、最...
元増田です。 能動的行動/受動的反応 という言葉は、説明せずに使うには雑な部分があって、それを「一次創作(オリジナリティ)/二次創作」に対置するには、かなり間を埋めない...
マジレスするとうまくいってません。 なぜなら関数を誤解しているらしき様子が見られるためです。 見たところ方程式と関数を混同しているのでは? また文中の用法ならキャラクター...
数学用語(プログラミング用語)の借用がうまくないという指摘、了解しました。やっぱ難しいね。 でもまあ、「こっちのほうが適切」と訂正してもらえるということは本旨は伝わって...