これはかなり恐怖を感じた出来事で、今でも鮮明に覚えています。
ちなみに今現在20代後半なので、今から23〜4年前の話です。
私の通っていた幼稚園は、毎年5月頃になると大きな公園に遠足に行く行事がありました。
この公園は芝生エリアに小さな丘が沢山あり、その丘の上で昼食をとりました。
また、各丘には鉄柱が建てられていて、別の丘の鉄柱とロープで繋がれていました。
そのロープから、鯉のぼりが数匹ずつぶら下がっているという構図でした。
イメージは以下の図のような感じです。
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| | | | |←鉄柱
| 鯉 鯉 鯉 |
| の の の |
ーーー ぼ ぼ ぼ ーーー
/ 丘 \ り り り / 丘 \
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丘も沢山あることから、当日公園に飾られていた鯉のぼりの数も沢山ありました。
また、鯉のぼりのサイズも大小あり、一部の特大サイズの鯉のぼりは地面についていました。
昼食は仲の良い友達グループで、食事を楽しみながら親は親同士、子供は子供同士で会話をしていました。
私は食事中からずっと特大サイズの鯉のぼりが気になっていたので、食べ終えるやいなや一目散に丘を駆け下りました。
最初は目の前に座り、この鯉のぼりが浮いては地面に落ち、浮いては地面に落ち、と繰り替えすのをただただ眺めていました。
少し時間が経ったくらいで、この光景にも飽きてきたんだと思います。
私はこの特大サイズの鯉のぼりが地面に落ちてきたタイミングを見計らい、捕獲をすることに成功しました。
ちょうど風のないタイミングだったので、特に苦労せずに捕まえることができました。
その後何を思ったのかは忘れましたが、この鯉のぼりの尻尾を縄状に細め、どちらかの足の足首にキツく縛りつけました。
するとその直後丘一帯に強風が吹き、私の小さな体は鯉のぼりもろとも、空中に吹き上げられました。
私は恐怖で声が出ませんでした。また、体を動かすと足の結んだ鯉のぼりも解けてしまいそうで、体を動かすことも出来ませんでした。
空中にいた時間は数秒だったかもしれませんが、その状態はとてつもなく長く感じました。
幸い、鯉のぼりがパラシュート代わり?のような形になり、フワフワとした様子で着地しました。
が、着地後にどれだけ頑張っても足首の鯉のぼりが全く解けません。
次にいつ強風が来るか分からない中、恐怖で焦り、必死になって解こうとしましたが無理でした。
二回目の強風を予感を察知した私は、鯉のぼりを解くことを諦め、飛ばされまいと体勢を低くし、芝生に必死になってしがみつきました。
ただし、自然の前ではか弱い力での抵抗は無力でした。私は再度空中に吹き上げられてしまいました。
再度空中にいる私は、ジタバタして落下をすることを恐れ、微動だにせずに風に体を預けていました。
その後パラシュート状態で無事着地した私は、恐怖で泣き出していました。
泣きながら必死に鯉のぼりを解こうとしましたが、やはり解けません。
すると、その姿を遠目に発見してくれたカメラマン(遠足に同行して写真を撮ってくれていた方)が走って近づいてきてくれて、
私の足に絡みつく鯉のぼりを解いてくれました。
恐怖から解放された私は、お礼も言えずに泣きじゃくりながら丘を駆け上がり、親の元へと帰っていきました。
あのまま鯉のぼりと絡まり続けていたら、いずれ落下していた可能性もあるので、このカメラマンさんは命の恩人です。
直接お礼は言えませんでしたが、本当にありがとうございました。
丘を上がったあとのことはあまり覚えていません。
ただ、危険なことをしていたことがバレると叱られるので、何か適当な嘘をついていたと思います。
このエピソードは高校生?くらいの時に初めて家族に伝えました。
が、未だにも誰も信じてくれていません。
無事に助かってよかったです。