9月18日から、10月1日以降の宿泊について東京都もGo To キャンペーン(以下GTと表記)適用が解禁となった。
同時に地域共通クーポンの配布も始まった。東京都内のホテルに勤めるいちホテルマンから見た現状。
東京都解禁を知ったのは9月18日の数日前で、10月1日からのオペレーション変更に備えて準備しようにも何も情報がなかった。
楽天やじゃらんをはじめとする国内系OTAはポイント利用と同様の形で予約取込がされ、35%分の割引については特別なオペレーション変更は必要がないことも、実際にGT適用の予約が落ちてきて初めて知った。
一般的に、サイトコントローラーというシステムが各サイトから予約情報をクロールして自動でホテルシステムへ出力するが、このあたりの仕様が全くわからないまま数日を無駄にした。おそらくサイトコントローラーのベンダーもいっぱいいっぱいで、ホテルへ周知する余裕はなかったのだと思う。
予約入込前にでこの仕様が分かっていれば、ホテルとしては「この予約はGT適用だから地域共通クーポンの枚数を予約の備考情報に入れていこう」というオペレーションが行えた。
時すでに遅し、すでに取り込まれた予約にこの作業を施すことは膨大な手間がかかる。システム上、ポイント割引と同じ扱いなので条件検索で絞り込むことができない。予約ソースを開いて「GT利用」という文字列を目視するしかない。
じゃあ楽天とかじゃらんのホテル側管理画面にログインして、GT予約を絞り込んで検索すればいいじゃんって思うけど、なんとそれができない。
楽天を例に挙げると、楽天は平時から500円クーポンなんかを発行していて、予約情報の検索に「サービスクーポン利用」という条件はある。
GT利用はサービスクーポン扱いで、その予約がGTであるかを確認するには個別の予約ページを開く必要がある。
予約総額に応じて地域共通クーポンを渡すが、この枚数は目視で予約金額を確認するしか方法がない。
これ絶対ミスって渡し漏れたり渡し過ぎたりする。その際の対応方法はGT事務局からは何もアナウンスされていない。
地域共通クーポンは宿泊地と隣接した都道府県まで使用できることになっているが、事務局から送られてきた「東京都・埼玉県・神奈川県~」と刻まれたゴム印を、地域共通クーポンの四角い空欄に押印するだけ。
これ店舗で使ったときに利用対象地見落としてよそのクーポン使っちゃったらどうすんだろうね。
使用期限もチェックイン日からチェックアウト日となっているが、これはチェックイン時にホテル側が手書きする。
ホテル側はクーポンの通し番号と宿泊日程を紐づけて事務局に報告するわけでもないので、いくらでも偽造できる。アナログだねえ。
チェックイン後に日程短縮をして支給されるべきクーポン枚数が減った場合、宿泊者はホテルへその分のクーポンを返還しなければいけないことになっている。
「使った後だったらどうすんの?」って事務局に聞いたら、「現金で回収しろ」と言われた。んなアホな。