2020-09-28

一点機能突破PCソフトウェアについて

はてなでは無名だが、AHSというPCソフトウェア販売している会社がある。

そこから先日Recotte Studioというゲーム実況動画作成ソフトが出た。通常価格で¥12,800+税という値段だ。

元々ボイスロイドという人工音声ソフトAHSは出していて、Recotte Studioの売りはその連携にある。

作っているのはクレジットを見るとソフトイーサで、IPA未踏伊藤さんも参加されているようだ。


ここで注意してもらいたいのが、『実況動画作成』であり『動画編集ソフトではない。

ボイスロイドゲーム実況は既に多く作られているし、その多くはフリーAviUtlという動画編集ソフトで作られている。

ボイスロイド自体Pepper君と同じ声のパッケージが発売されてから10年経っていて、AviUtlプラグインを有志が作っている。

AviUtlは使った人はわかると思うが古いソフト機能追加されているので、ごちゃごちゃしている。

その中でRecotte Studio初心者向けということで発売された。


問題はここからだが、Recotte Studio機能が少ない分やりたいことができない。

初心者は先人の真似から入るわけだが、機能が少ないので出来ない。

もちろんソフト機能紹介で説明されているようにテロップは入れられるのだが、ボイスロイドとの音声連携テロップがやりたいことなので、躓くポイントが多い。

1つ、2つテロップを入れるだけならいいが、大量にテロップを入れるとなると修正が入るが、2つのソフト連携させる都合かUIが悪い。


文字に起こすとわかりにくいのだが、一応説明しておく。

わかりにくければUIが悪いという結論のみ把握しておいてもらえばいい。


ゲーム実況なので、ゲーム画面を録画したのを流しつつ、テロップを入れたい場所テキスト入力していく。

ここで躓きポイント①だが、改行が必要な長文になると改行をどうしたらいいのかがわからない。

そんなの単に改行すればいいじゃないかと言われるだろうが、改行はできず確定になる。

改行する場合プレビュー画面のテロップが実際に入った枠を編集することになる。


テロップだけなら、まぁいいか程度だが、ボイスロイドとの連携時にスペースが入る。

ボイスロイドを使ったことがない人向けに説明すると、ボイスロイドテキスト入力して音声を出力するソフトだ。

テキストにスペースが入っていると、そこが文章の切れ目と認識して、音声が途切れるのだ。(躓きポイント②)

プログラマーの方なら、スペースが入るくらい置換すればいいだろうというだろうが、そういう人ばかりではない。


売りのボイスロイドとの連携だが、『全てのテロップクリップボードコピー』するというのがRecotte Studio側の機能だ。

ユーザーは、別のソフトであるボイスロイドテキスト画面にペーストし、音声を編集して音声ファイルWavで書き出すと同時に、1つずつの音声ファイルを作ったテキストを吐き出す。

言い方を変えると、連番の.wavと.txtファイルが出力される。


Recotte Studioは、フォルダ監視していて、ファイル更新されたのを検出して音声ファイルを読み込む。

Recotte Studio側にテロップテキスト情報を持っているので、.txtの内容と一致すれば、.txtと同じファイル名の.wavを読み込む。

.txtと.wav拡張子が違うだけで、ファイル名が一緒となっていることで一対になっていることを示している。


ここで、躓きポイント③だが、ボイスロイドで音声調整をしている際、誤字を見つけたときは、

a)ボイスロイド側のテキスト修正すればいいのか

b)Recotte Studio側に戻ってテキスト修正すればいいのか

どちらだろうか。

先ほどRecotte Studio側は.txtの内容と一致した同じファイル名の.wavを読み込むと言ったが、

誤字を修正してしまうと.txtの内容が一致しなくなる。


誤字なので結局Recotte Studioに戻ってテロップ修正することになるのだが、『全てのテロップクリップボードコピー』されるので、

誤字の部分だけ更新すればいいや、とはならない。

ここで躓きポイント④だが、テロップ修正していない箇所の音声は、前と同じなのかという疑問が出てくる。

プログラマーの方ならテキストならdiff取って処理すればいいじゃんと思うだろうが、

ボイスロイドというソフトテキスト入力枠はコピーペーストで上書き修正されている。

一応、登録しておいた文章完全に一致していれば、同じ音声を出力する(はず)だが、本当か?と思うだろう。


なぜ『全てのテロップクリップボードコピー』される仕様になっているのかはわからないが、

想像するに、新規テロップが追加された時の対応あたりだろう。


次の躓きポイント⑤だが、『.txtの内容と一致した同じファイル名の.wav』を読み込むのであれば、

テキストでは同じ文面だが、読み方(アクセントなり、音の高さなり)を変えたい場合はどうなるのか。

ボイスロイド動画を作る際、複数のボイスロイドで会話させることがある。

キャラA「こんにちは」、キャラB「こんにちは」と喋らせたいとしよう。

この場合、どちらが読み込まれるのか、わからない。

ユーザー側の対応策として、キャラAとキャラBの吐き出すフォルダ別にすればいいとなるが、気づけないユーザーもいるだろう。


では、同じキャラ場合はどうなるか。

先ほどの例では、挨拶だったのでいいが、「ごめん」といったセリフ動画中に2度出てくる可能性はないだろうか?

そして喋らせ方が違ったらどうだろうか。(最初はふざけた感じで、次は真剣な感じなど)


次の躓きポイント⑥だが、動画を作っている途中だと適切な音声だと思っていても、ある程度完成して見直してみると、

音声と音声の間が足りてなかったと思うことがある。

その時は、ボイロ側で話す速度や間を修正することになるのだが、テロップ位置が変わらないため、

テロップが2重に表示される期間が出てくることになる。

最初から隙間を開けておくといった対策ユーザー側ではできるが、これも最初は気づけないし、

テロップテロップの間で毎回一瞬消えるのも気になって嫌う人もいるだろう。


まだ躓きポイントはあるのだが、要はUIが悪い。

2つのソフト間での連携するような仕様にせざるを得なかったというのもあるのだろうが、初心者向けと言いつつ、触ると躓きポイントが多い。

じゃあ修正すればいいじゃんと、今時のプログラマーの方は思うだろうが、Recotte Studioガイドブックが同時発売されている。

そのためUIの変更はすぐにはできないのだと思う。


PCソフトなんて今時だれが買うんだっていう時代なので、開発リソースが少ないのが、機能の少なさから透けて見えるのも辛いところだ。


AHSという会社だが、先の未踏出身伊藤さんが作られたキャラミんを配布したり、

Kanru Huaが作られたSynthesizer Vを販売したり、

市場が小さいが個人で作ったのをビジネスにつなげようとしている会社応援したいので購入しているのだが、

開発リソースが小さく機能が一点突破だったり、買い切りなのでサポート説明不足だったりする。

今時のビジネスモデルじゃないと一言で言ってしまえば、そうかもしれないが、

GoogleAmazonのような大手が作ってくれるわけではないソフトは、消えていくしかないのか。

  • クリエイティブ系のサブスクで成功してるのは、日本ではクリスタがありますな Recotteみたところ使いやすそうだし売れてればそのうちサブスクにするんじゃないかな 資金繰りの関係や...

  • 何が言いたいのか結局わかりづらいから、もう少しタイトルを工夫してほしい ソフトのUIがクソで使いづらい、ってだけだよね?

    • 個人で作る以上、機能が一点突破になってUIやビジネルモデルがおろそかになるのは仕方がない。 応援したいが厳しい。 …という状況を嘆いた文章と読んだ。

      • 横からだけど、メリットが書いてないから、どこに「一点突破」してるのかわかりにくいんよね。 まるで全くメリットはない不満ばかりの上に有償なソフトに見えてしまう。 しいていう...

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