2020-09-25

まだ化粧をしていなかった頃

高校とき、すごく仲のいい男ともだちがいた。しょっちゅう相手の家に遊びに行ってた。家族はよく不在にしていて、相手の部屋である狭い和室に入り浸っていた。わたし寄生獣を読む横で、相手FPSをやっていた。お金は無いけど、たまにカラオケも行った。おやつミスドを食べた。昼間たくさん喋ったあと、夜も遅くまで通話した。わたしたちは仲が良かった。

恋愛として意識したことは無かった。だけど、この人とキスとかしたらどうなるんだろうと思っていた。好奇心が勝って、ある日キスをしてみた。相手はいくらか躊躇したあと、キスを返してくれた。それからは会うたびキスするようになった。

長いあいキスをしていると、相手わたしの顔をべろんべろんに舐めてくることがあった。しょっぱくないのかな‥‥とか考えた。耳や頬、まぶたから鼻まで、舌でなぞられたり、歯で軽く噛まれたりした。食い尽くさんと言わんばかりの勢いだった。相手ほどでは無いけど、わたし相手を食べたり舐めたりした。

高校の頃、わたしは化粧をしていなかった。もう三十路も近い今だったら、化粧が気になってあんなことさせられない。されたこともない。だから今でも、六畳間でしたあのキスのことを、ああ、あれはよかったなあ、と思い出す。

わたしたちは恋人になることはなかった。

  • でもキモくて金のないおっさんが女子高生の顔をべろんべろん舐め回したら性的搾取として弾圧されてしまうのは問題ないんですよねわかります

  • よくできた官能小説のようだ。 何度も読んでかみしめるほどにエロいなって思った。

  • 秋ですねえ

    • と言うかキスしてる時点で恋人じゃん 何言ってんだこいつ

      • 例えば犬猫が顔を舐め合うみたいなグルーミングの一環だったんじゃないか? まあ性的欲求はあったんだろうが友人だかなんだか分からない距離感の心地良さみたいなのは分かる 顔舐め...

  • キスする相手が風俗嬢しかいない僕には無理な話だった死にたい

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