昼、職場の近くの店で飯を食っていたら備え付けのテレビで台風の報道をやっていて、ある地方では家屋が暴風で横転したという。画面を見たら、薄いグリーンのヘンテコな色をした民家が横倒しになっていた。
報道によると元から誰も住んでいない建物だったらしい。付近の住民は以前から気にかけていたという。
それを聞いていて、なんとなく何かに似ているなあ、と思った。
別に、特別な気づきとか教訓とかじゃないんだけど、俺はこれ、人間に似てるな、と思ったんだな。
どこの共同体にも、職場にも、あるいは家庭内にも、この建物みたいな「人」がいると思う。
周囲からなんとなく疎まれていて、といってなんかの事情で無視するわけにもいかなくて、じりじりした負の関心をずっと集めている人。
あの人、いつになったら…。
「いなくなるんだろう」「辞めるんだろう」あるいは、「死ぬんだろう」。
単に憎まれてるってのとは違う、周囲でもなんとなくその人との関係性をこじらせちゃった自覚というか、道義的にとるべきアクションを面倒だから放置してる後ろめたさみたいなものがあって、その人がただそこにいるだけで低温でじっくり炙られてるみたいな不快感がある感じ。
そういう人いるよな、っていう。それで、そういう建物だったんだろうな、地元では、っていう、そういうことをなんとなく思った。
単に所有者不明or連絡つかないとかで 行政が手出しできない廃屋だっただけやと思います