2020-08-30

今更知れて、どうなるものか。

 遡れば中学校に入った頃から違和感を感じていた。周囲から浮く自分。周囲に溶け込めない自分

 自身小学校の頃から何ら変わっていなかったので、そんな風になる理由がさっぱり分からなかった。だから、変わらず生活し続け、学校に通い、勉強していた。

 結果、周囲に溶け込む事が出来ず、最終的にはいじめの対象となり、短期間の登校拒否を繰り返した。

 それでも、頑是ない程の生真面目さがあった所為か、粛々と勉強をし成績はそれなりを維持し続けたので、先生や親の受けは良かった。だからこそ、学校に行けない自分を、特に母親は信じたくなかったようで、布団に包り学校行きたくないと訴える自分を、布団ごと引き摺り出しヒステリックの怒鳴りつけた。

 その後、高校専門学校と進んだけれど、中身は中学校からの延長線上だった。自分で考え判断した事が報われる事は少なく、薄っすらと暗い日々だった。

 就職氷河期真っ只中だった頃は、両親が始めた事業を手伝っていた。10年続けて、残ったのは1億近い借金だった(正確な金額は覚えていない。凡そその位の金額だった)

 実質なんにもなくなり、絶望と辛さだけが蓄積し、やがてひきこもりになった。夜の間に出ない答えを延々探しては朝に寝入り、昼過ぎカーテンから漏れ入ってくる光を感じては「なんで私はまだ生きているんだろう?」と思って絶望し、布団の中で小さく小さく丸くなっていた。この頃は、恐らく鬱病でもあったのだろうと思う。希死念慮と闘う日々だった。

 そのひきこもりの先で、東日本大震災に見舞われた。自分福島県の海側に住んでいた。色んな困難や混乱があった。それでも当日のその時間幼稚園に迎えに行った姪を抱えて海の見える公道を走りながら、この子を助けなきゃならない、と多分思った。

 いつもは判断時間が掛かり過ぎるほどなのに、その時はすぐに姪を連れて海の傍から逃げた。逃げたのは、自分の為ではなかった。それでも、少なくとも判断自体は間違っていなかった。

 上手く行く事のなかった人生で、錯覚しかない「守らなきゃ」と言う気持ちが燃料になり、そこから数年、がむしゃらに生きた。

 上手くいく事の方が少なかった。間違いばかり犯した。どうしようもなくなってパニックの果てに数少ない友達を切った。上手くいく事なんて殆どなかった。周りに迷惑ばかり掛けた。数年掛かってやっと決まった職場でも、泣きながら仕事を続けた。『ここで3年頑張ろう』と『キリの良い年齢まで頑張ろう』の二段構えの目標を立てて、只管頑張った。そして気付けば、自分も四十代になっていた。

 この歳まで生きているとは思わなかった。そんな妙な感慨に浸りそうになった頃、その言葉を初めて目にする事になる。

 それが『発達障害』だった。

 元々鬱持ちの傾向が強かったので、それ関連のキーワード検索窓に打ち込んでは調べる日々の中、偶々行き当たった言葉だった。

 検索をしていると、事象が芋蔓式で繋がっていく。時折横道に逸れながらも、関連事項を追っていった。調べれば調べるほど、昔の自分と今の自分に当て嵌めていけばその分だけ、自分発達障害である確率が高くなっていった。

 結局自分は、心療内科に通い必要検査複数受けた。発達障害か否かの最終的な判断は未だ貰っていないけれど、数値の凸凹さ加減と、日々の環境・状況適応能力の極端な低さが事実を表している。

 発達障害の疑いを持つ前から世間との乖離を感じていたし、だから自分なりに考えたり工夫したりして色んな事をこなそうとした。

 それが無に帰していた理由を(全てが当て嵌まると思っていないにしろ)知った、その時の絶望と切なさを、多分自分は忘れないと思う。

 もう少し早く知れていたなら、と思う。早く知れてどうなっていたかなんて分からないけれど、そう思わずにいられない。

 誰も責められない。落としどころがない。自分が正しい事には絶対ならない。治らない。治せない。変わらない。変われない。

 もうずっと、毎朝、自分自身に『大丈夫』『頑張れ』と言い聞かせている。『死ぬな』『生き抜こう』と言い聞かせては此処に引き留めている。

 ドラマとかで見た「生きている事に疲れた」なんて言葉が、自分の中に生まれるだなんて夢にも思わなかった。

 生きている意味なんてない。理由なんてもの最初からない。

 それでも、もう少し頑張って生きたいと思っている。

 自分は本当は端から駄目なのかも知れない。それでも、お互い頑張っていこう、と思っている。

 誰のためでもない。自分の為に頑張る事を頑張ろう。

 乱文、言葉足らずご容赦のほど。

  • 就職氷河期真っ只中だった頃は、両親が始めた事業を手伝っていた。10年続けて、残ったのは1億近い借金 やあきっついね。。たいへんやったのね。。増田へいらっしゃいまし

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