2020-08-22

関口学さんに是非とも伝えたいこと

関口さん。署名活動お疲れ様です。あなたに是非とも伝えたいことがあり、久々に (おそらく数年ぶりに!) 長い文章を書こうと思い立ちました。長い文章は書き慣れておりませんので、乱筆乱文お見苦しいかと思いますがどうぞご容赦ください。

インターネット上には、あなた非実在男性なのではないかジャンプ読者の男性に対する偏見を持つ女性が書いたのでは無いか、などと疑義を表明する人が沢山いるようですね。
あなたがそのような声をどのように受け止めておられるか私にはわかりませんが、ただ、今のところ私はあなた実在していて本当に苦しんでいると信じています理由は、あなたが書かれる文から読み取れる苦しみにいたく共感たからです。

いらぬ誤解を招きたくありませんので早めに明確にしておきますが、私自身は今回の署名活動賛同否定しません。
今回の署名活動にあたって名指しされた漫画やそれに類するもの (子供対象とした媒体上で連載されるセクシャルな要素を売りにした漫画、と理解しております) を読んだことがなく、この活動に対し何か声を上げられる立場にないと考えるからです。
 (私の生家は子供に小遣いを渡すという習慣のない家で、バイトを始めるまで私の手元には私の自由になるお金がなく、漫画雑誌漫画本を購読する習慣がありませんでした。家族内に漫画を読む者もおりませんでした。たまに同級生宅にお呼ばれした時に読むのが小学生時代の私にとっての漫画のすべてで、そして少なくとも他人を家に招く際にその種の漫画本棚に出しっぱなしにしている同級生はおりませんでした。)

では私がどこに共感たかと言えば、自分の理性では制御しきれぬ「こだわり」を抱え、それに振り回されて心も体も千々に乱れる苦しみを味わっているあなたに、です。

はっきりと言います私は、ASD傾向のある発達障害者の一人として、あなたASD傾向を持っておられるのではないか、と推察しております

セクシャルな要素を含む漫画を愛読し、読んでいないという友人に対し興奮して問い詰めてしまうかと思えば、翻って自分が親しんできたセクシャル漫画およびそれに類するもの注釈をつけよ、性表現レベルを読者に合わせよとの署名活動を始めておられる。
これらの両極端な行動は、単に考えを改められたというわけではなく、行動のベクトル真逆なだけで、いずれの場合もその動機となっているのはセクシャル漫画に対する強い「こだわり」(より正確に言えば、「セクシャルなことに興味関心がある自分」というアイデンティティに対する「こだわり」) ではないか、と考えます
女性差別や性暴力重要社会問題だと思いますが、それよりも今のあなたを苦しめているのはあなた自身の「こだわり」であり、それは署名活動をすることによってではなく適切な医療機関を訪れ適切な治療を受けることによってのみ解決への道筋がつけられるものだと考えます

おそらく、あなたが「セクシャルなことに興味関心がある自分」というアイデンティティに対するこだわりを身に着けてしまったのは小学生の間ではないでしょうか。
その過程も、なんとなくですが想像がつきます

友人関係の構築に難があるASD傾向のある小学生にとって、小学校生活サバイブするというのは大変な苦難です。
一般の方々ほど友人関係その他コネクションの力に期待できないという前提の上で、自尊心を守りいじめられっ子立場に転落しないようにするためには、舐められないポジション確立必要となります
私の場合は、それは「頭が良い」「博識」というポジションでした。友達が少ないが故にほとんど無制限にある放課後時間勉強に当てたおかげで、そこそこ頭の良く博識な「ハカセポジション確立することができ、私の小学校生活は以後の人生比較しても平穏ものでした。
(それでも、私立中受験を前提に有名塾に通っているようなグループには決して叶わない程度の成績でしかなかったのですが。)
しかし、必要に迫られて装っていただけのはずの「頭のよい自分」「頭がよくて周りから一目おかれる自分」像はいしか私の強いこだわりとなり、その後長きにわたって (成人し大学生になり、そして社会人となった今ですら) 私を苦しめ続けています
「頭のよい自分」像が脅かされる事態に直面すると、錯乱して大きなショックを受けてしまうのです。ちょうど友人に対して錯乱してしまったあなたと同じように。

あなたにとっては舐められないためのポジション戦略が「セクシャルなことに興味関心がある自分」であったのではないでしょうか。
小学生にとって、セクシャルなことに対するタブーというものはなかなか強いもので、興味関心があるというスタンスをとることははばかられるものです。
ただ同時にだいたいみんな内心では興味関心を持っているものですからタブーに対しおおっぴらに触れられる、というのはある意味では大変強い立場です。
から、某漫画はじめみなが敬遠する(そしてその実興味があったりする)「セクシャルものを強く意識する自分」のキャラクター小学生の間に自分自身で構築されたのではないでしょうか?
そう推察すると、あなたがこだわるのがアダルトビデオや実際の性犯罪でなく少年漫画雑誌上のセクシャル漫画であることにも、あなたが心残りとして取り上げておられる棒アイス差し入れお話にも得心がいくのです。
(棒アイス差し入れすることと性的なことを結びつけ、男子笑顔をいやらしい笑いと受け取ってしまうのは、どうにも一般的ではないと思います小学生にとってはエロいことなんかじゃない、というだけでなく、すでに成人した男性にとってもそうです。男子グループのメンバが気になっている女の子に気に入ってもらいたくて差し入れをした、と受け取るほうがずっと自然でしょう。性的なことを常日頃から強く意識していなければ、たいして記憶にも残らないごくありふれた出来事のように思います。なお、他人の表情を読み解く力 = 表情認知が弱いのは ASD の特徴の一つだったりします。)

関口さん。いかがでしょうか。
これまでの文章は今も心療内科受診している一患者自身経験と照らし合わせて妄想したものしかなく、その正しさを保証するものはどこにもありません。
ASD傾向があるのではないかという疑いを向けられたことを不快に思われたら、心からお詫びいたします。ですが...
ですが私には、関口さんと過去の私がどうにもダブって見えます自分の「こだわり」に振り回されて疲弊しつつ、「こだわり」を認知することすらできなかった過去の私に。
もし少しでも心当たりがあるようでしたら、ぜひともお近くの心療内科受診することをお勧めいたします。

あなたがすがすがしい人生を送れるよう、心から祈っております

  • 書いている人間がASD障害を持っていることと、書かれている人物が架空の人物であることは矛盾しない

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