2020-08-16

10代で岡田斗司夫唐沢俊一の本にハマった人の精神

はてブで久しぶりに岡田斗司夫唐沢俊一名前を見た。

現在、彼らへの言説はほとんど批判一色だ。自分批判的に見ている。

しかし、かつて彼らの言説が支持されていた時代もたしかにあったのだ。90年代後半の、ある一時期に。

けれども、彼らの本をかつて熱心に読んでいたと口にする人はいない。

スレイヤーズリスペクトを表明する人がいないのと一緒で、彼らの本を熱心に読んでいたってことは「恥ずかしい」ことなのだと思う。

しかし、ここは匿名ダイアリーなので、自分は書いてしまおう。

 

あれは90年代後半だった。自分自意識を持て余していた。

アニメ漫画といったオタクコンテンツが好きなことに後ろ暗さを感じていた。

エヴァはヒットしたけれど、それだけで、オタクたちへの一般的視線はまだまだ一段低く見る傾向が強かった。

自分は15歳で、クラスの端っこでオタク仲間と固まって学校生活を送っていた。

初めて缶コーヒーを買ったのはUCCエヴァだし、下敷きはスレイヤーズだったし、授業中は『ブギーポップは笑わない』を読んでいた。

毎日18時には家に帰ってテレ東アニメをぜんぶ見ていたし、lainトライガンといった深夜アニメを録画して視聴していた。

これはすごいものだ」と夢中になっていたが、「自分は一段低く見られている」という疑心暗鬼でびくびく暮らしていた。

今でいえば「自己肯定感」はかなり低かったし、自分容姿や立ち居振る舞いを自覚させられるたびに嫌なものを感じていた。

そんなときに、自分の視界に岡田斗司夫が入ってきた。「BSマンガ夜話」だった。

「この人、話が面白いうえになんだか知的」と感じて、図書館にあった岡田斗司夫の本を読んだ。

『ぼくたちの洗脳社会』。過去SF小説などを引用しながら語られる未来社会の予想に、ひどく興奮した。

オタクコンテンツを語ることが社会未来を語ることになるなんて!」という衝撃。

それから岡田斗司夫のほかの本も読み、彼の周辺にいる人の本も読んだ。それが唐沢俊一

唐沢俊一の本を読むと、まさに博覧強記といった印象で、こんなにも知識を持っている人がいるのか、と驚いた。

そして、自分はこう思った。「オタクであることは最先端ライフスタイルで、知的ことなんだ」と。

この価値転換は自分のなかですごい衝撃をもたらした。今まで自分がなんとなく卑下してきたことが、そのまますべて肯定材料となるのだ。

それによって自分は胸を張ってアニメマンガに接するようになった。オタクならあれもこれも詳しくなくちゃ、と読書の量を増やした。

それによって毎日が楽しくなったし、本を読むことによって、世界見方も増えていった。

そして、いつしか自分岡田、唐沢らの本を読まなくなった。

 

岡田、唐沢らの言説に心が離れていったことにはいくつかの理由がある。

まず二人の出してくる話題時代遅れ、マンネリになってきたこと。

2人とも最新のオタクコンテンツ事情にまったく疎かったし、「また昔のアニメ特撮の話か」と飽きがきてしまった。

いろんな本を読むうちにアカデミアの人が語るサブカル論に心が移ってきて、さらにそこから一般的歴史文化史の本を読むようになった。

インターネットの影響もある。今まで一人で岡田の本を読んでいたわけだけど、ネットにある他の人の論評を読むと、どうやら彼も完全無欠な人間ではないようだ。

唐沢の盗作騒動が出てくるまえに、心はすっかり離れていた。

しかし、彼らには感謝している。初めて自分アイデンティティ肯定できたのは彼らのおかげだし、いろいろ本を読むきっかけにもなった。

からこそ、今の姿を見ると残念でしょうがないのだが……。

自分も年を取り、結婚をして家族ができて、いつの間にかアニメを見ることも少なくなった。

ネットフリックスで見るのはもっぱらハリウッド映画。『シェイプ・オブ・ウォーター』に泣く始末。すっかりオタクじゃなくなってしまった。

現在自分否定肯定もしない。「ま、こんなもんだよねぇ」って気分である。だけど、あのころ情熱はほんとうだったよ。

うそう、「と学会」。これを初めて読んだときも衝撃だった。特に最初の2冊。

この本によってニセ科学オカルトへの耐性ができた。そういう人は多いんじゃないかと思う。

 

からこそ、だからこそなんだよ。彼らの最新の話題に触れると、何もかも悲しいんだよねぇ……。

  • しょうもない人生。

    • 人生が増田の1記事におさまるわけない、書いてあるのはほんの一部、それはわかるだろ

      • でもキモくて金のないおっさんの人生はこういうものだと1記事で決めつけて中傷するのは問題ないんですよねわかります

  • 俺も今となっては村上春樹の書籍を全部買って読んでるファンってことはリアルではなかなか言いにくい

  • 岡田はしゃべりがうまいからニコニコ~YouTubeといまだに結構人気じゃん 年収数千万は稼ぎ続けてる 岡田の動画みて勉強になったーって快感得る人もいるんだから別にいいじゃん 君や僕...

  • ここまでやって何かを作る側に周らなかった点が根っからの研究者気質なんだろうけど、考古学なんかに回ったら面白い人になったかも知れないのにね。

  • 岡田斗司夫とか町山智宏とか一瞬はまるけどずっとはまってる人はあんまりいない印象。 ずっとファンの人は白痴だと思ってる。

    • 宇多丸〜

    • でも彼らの言う視点はまあ面白いと思うし、視野が広がったのは確か 特に岡田斗司夫の「ぼくたちの洗脳社会」は大した本だと思う。それをFreeで公開した事も含め http://blog.freeex.jp/archive...

  • スレイヤーズのリスペクトを公言する人がいないってのはどういうこと? 作者が犯罪でも犯したの? オタク隠すような時代でもないんだから好きなら好きと言ってもいいと思うが。

    • 普通に今のラノベ(なろう)作家とスレイヤーズの作者が対談したりして 僕はあの作品が好きなんですよ〜とな言われてリスペクトされてるしな

    • 元増田がエアプなだけ

    • オタク隠さなくても恥ずかしくないって思っているのはお前だけで、周りはお前のこと恥ずかしいやつと思っているよ。

    • 真面目な話をするとスレイヤーズ登場時点では当然ラノベというジャンルすら立ち上がっていなくて ファンタジー小説というのは指輪物語、カジュアルなものでもドラゴンランスという...

      • 真面目な話をするとラノベの起源は普通はソノラマ・コバルトの創刊、 どんなに遅らせてもスニーカー・ファンタジアの創刊なので、 必然的にスレイヤーズの頃にはジャンルは完全に確...

        • 現在から見るとその通りなんだが、ソノラマはヤングアダルトと呼ばれていたりとか 今で言うようなライトノベルが立ち上がっていたかというとまだ混沌としていた時代ではないかと思...

  • 一時期の岡田斗司夫はかなり先端的な思想家だったけど、それが忘れられている感はある。

    • 流石に地頭は相当良いよなと思う 今、メディアに出ていろいろ社会を語ってるたいていの人間、 例えば東浩紀とかよりよっぽど頭良いんじゃないかな 対談とかだと押し負けてる場面が...

  • もうちょっと後の時代だと、 ・まとめサイトから2chに入って、まとめサイト批判→2ch批判→SNSやブログで個人発信 ってパターン 世間に対するカウンター言論への取っ掛かりとして、あ...

  • スレイヤーズは普通にリスペクトされている 女性主人公で王道を少し外したシリアスとコメディの配分など 現代コンテンツへの影響力はかなりある ドラグスレイブの詠唱も恥ずかしい...

  • 最近の(とはいっても年単位だが)姿を見ると見事にレコーディングダイエットに失敗しているのが悲しい。

    • 生活スタイルに応じた体型ってあるだろうし 維持できないダイエットは全部ダメだよな

    • 人の体型をいじるのはやめろよ。

  • 岡田斗司夫は東大で講義やったりしてたよね。 部外者だったから行けなかったけど、当時は行ってみたかった。

  • 岡田斗司夫には影響受けたなあ 司馬遼太郎ほどじゃないけど城山三郎よりはマシ、みたいな印象。 愛人騒動以前にも愛人の話は各所でこっそりしてて、だらしない人だと思いつつ遠目...

    • 世の中の枕営業騒ぎって、枕させたのに仕事(見返り)をあげないからバラされるんだろって思ってたけど、岡田斗司夫は仕事をあげたのにバラされていてふいたわ。

  • 増田は唐沢がいなくてもそのうちアカデミアなサブカル論に触れたり唐沢のパクリ元に行き着いたりしたと思う。唐沢は他人の業績を簒奪することで生き延びてきた人、雑学の知識に関...

  • デルトロの映画に感動して一般人気取りもおかしな話では お前の魂は心底ヲタクだよ

    • その辺の今の元増田の考察の中途半端さやそこに精神史とか名づけるセンスからいっても いかにも岡田やと学会のいいお客様って感じと捉えれば辻褄あう

  • 結局唐沢も岡田も“オタク系アフィまとめブログの管理人”でしかなかったんだよなぁ……彼ら二人が業界的に干されても、こういう手合いは形を変えて今も……いやむしろtwitterで大増...

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