2020-08-09

アメリカTikTokのbanを喜んでいるのは中国共産党

アメリカTikTokをbanにするということを喜んでいるネットユーザーもいると思う。

だけれど、これ、ヤバい情報戦観点でいうと、喜んでいるのはきっと中国共産党だ。

その理由を挙げていく。

2020年代世界が、アメリカ自由主義国 対 中国自由の乏しい途上国、という対立構造になることは、誰もが知っているとおり。

冷戦と同じ構造だ。この中で勝ち抜くには、その中で共有された価値観がモノを言う。自由という価値観は、有事には弱い面がある(今回のコロナアメリカ中国の差を見てくれ!)。しかし、時間が経つと自由を重視していない国に必ず優ってきた。理由簡単だ。自由がない国はつまらない、そして、権力者が腐る。頭のいいやつはなんとしてでも逃げ出して自由のある国に動く。アインシュタインナチス・ドイツから逃げ、グーグル創業者父親ソビエトから逃げてきた。

特に中国との差があるのが、表現の自由だ。アメリカとその価値観を共有する国は、表現の自由絶対大事にするべきだったのだ。TikTokで持っていかれる個人情報なんてたかがしれている。あんなのを諜報活動に使ったところで、アメリカ人のJKの何割が肥満かぐらいのデータしかでてこない。だったら、「価値観が相反する陣営のものだって、ウチでは使えるぞ」という自由を示した方がよかった。

ところが今回のbanは習近平が行ったGoogleのbanと同じ香りをさせてしまった。本当に愚かだ。Huaweiだけにしておけばよかったのだ。

何よりTikTokをbanされて嬉しいのは中国共産党だ。

TikTokアメリカ人に使わせたら、ウイグル人権問題告発する動画アメリカ人のJKに作られてしまった。あっという間にシェアされて、中国本土にも届いてしまった。あれこそ表現の自由のない国からすると厄介なユニコーンだ。WeChatなどのように、自由主義国と分断されたSNS中国には大事なのだ

日本の中でもTikTokをbanだ、と騒いでいる人には注意したほうがいい。騒いでいる本人が工作員だとは言いたくないし、おそらくありえないが、工作を受けてしまった可能性がある。非自由主義国が情報戦相手に自滅させるには、まず相手を分断させ、かつ、自国へのアクセスを減らすことが大事なのだインフルエンサーに近づき、一見すると愛国主義的なことを吹き込み、そして相手国の価値観に反することを煽る。結果として、自国の―この場合中国共産党の―価値が悪くないという『刷り込み』が完了する。

自由主義陣営自由であるがゆえの辛さはあるが、その辛抱が必要だ。愛国を主張する諸君はこのことはわかってくれ。

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