その中の一つに「底辺字書きだった七瀬が、神字書き・綾城にフォローされたくて躍起になる話」というのがある。この話を聞いて共感をしたり、身に覚えがあった人も多かったはずだ。
その方の文章はとにかく描写が丁寧で脳内に映像がありありと浮かび、息遣いの一つまで聞こえてくるような鮮明さがある。
ストーリーも胸をつかんで離さない展開で……去年のイベントで買った新刊も、読んでから登場人物のことだけが頭の中で延々と反芻され、一週間ぐらいは何も手につかなかったのである。
そんな推し字書きをフォローしている。フォローは返ってこない。
あの漫画の七瀬の場合は、もっと凄くなれば綾城に手が届くだろうと必死だった。実力的に肩を並べれば、綾城がこちらに振り向いてくれると思ったのだ。
だが、増田はどうすればいい。
有名度……数字の観点で言えば増田の方が現状上だ。Twitterのフォロワー数で言えば数倍は違うし、作品の反応数だって桁が違う。つまり綾城に手を伸ばそうと躍起になることすら許されないのだ。
当然だが「凄くなれば繋がれる」というのは七瀬の大いなる間違いだ。対人関係とはそういうものではない、という滑稽さを描いた作品でもある。
でも今まで誰かをフォローしてフォロバされなかった事なんてなかった。よりにもよって大ファンの字書きだけに何故フォローされないのか……これが妄執……。
推し字書きのマシュマロに新刊の感想を送ると喜んでくれた。けどマシュマロなので私だという事は伝わらない。
同じ界隈なので、伸びたツイートがRTされたりすることもある。ミュートされている訳でも、ひどく嫌われている訳でもないらしい。
増田は監視者が多いだけに、動きは慎重にならざるを得ない。大勢の前で「推し字書きさんの小説、最高!!」なんて言ったらおそらく怖がられるし、最悪ヘイトを集めかねない。
推し字書きの作業中継に行ったら、自分と字書きの相互の2人しかいなかった。これは視聴者:2という数字と、相互氏の「字書きちゃんの中継見てるなう」から分かったことだ。
「2人いたみたいだけど、あと1人誰だったんだろう?フォロイーは恥ずかしがらずに名乗ってくれ~」
増田それ推しじゃなくてつながり持とうとしてるやん。ただの厄介じゃん アイドルにLINE教えてと言ってるようなもんやで
同人って同じ趣味の人と繋がるもんだからなあ
それは友達になるんじゃなくて、合同誌出すって意味だろー?
読んだ感じ元増田の方がアイドルっぽいけどな。
よくわかんないけどがんばれ